倉嶋厚・原田稔編著 “雨のことば辞典”というのがあります.
“本書は, 主として現代使われている日本語(看護・方言・気象用語などを含む)”の中から,「雨」にまつわることばに限って1190余語を選び, 語義・解説・用例などを加えた”そうですが, その辞典に収録された言葉のなかには,Casioの電子辞書XD-D10000 の“広辞苑” や “精選版日本国語大辞典”にも掲載されていない言葉もあります.
たとえば, 縦洪水・・・.
普通の洪水は, 川が反乱して横に広がる洪水・・・,<横洪水>(この単語は“雨のことば辞典”には収録されていない)にあたるのでしょうが,その反対語と思われる洪水に “縦洪水” というのがあります. “縦洪水” とは, “河川が氾濫して広がる普通の洪水に対して, 空から降りかかる大量の雨水をしゃれて「縦洪水」といった・・・”そうです. 山梨県や長野県の地方で・・・.
今回の千葉や福井の洪水は, まさに “縦洪水”・・・!
旧約聖書の創世記にでてくるノアの洪水も, 川が氾濫して発生した洪水ではなく, 何日も何日も豪雨が降り続いた結果生じた “縦洪水”・・・.
そのあとがきに, “気象庁は日本気象予報会などに別の表現を用いるように要請したという “ゲリラ豪雨”・・・. 気象庁は, “戦争を連想させる言葉を政府の機関として使うわけにはいかない”と難色をしめしたと書かれてありました. 著者は, ゲリラ豪雨による被害増大の背景に, “生活環境の荒廃がある”と指摘していました.
“縦洪水” という言葉に遭遇したのは, この前, 集中豪雨のような雨音を聞きながら, “雨のことば辞典”を速読していたとき・・・.
“びしょびしょ”という言葉があります. この言葉, “雨のことば辞典”によると, もとは方言であったようです. しかも, 岡山の方言・・・. その方言は, いまでは標準語の中に取り込まれてしまい, 誰も岡山の方言だとは知らない・・・. 岡山・児島・阿波・信州・木曽・福島の方言集を開いてみましたが, どの方言集にも “びしょびしょ”は見出し語にありませんでした. わずか岡山の児島の方言集に “びしょ”が掲載されていました.
ああ,それなのに,それなのに, “会津方言辞典” には “びしょびしょ”が掲載されていました.
岡山の備前藩領地の児島と福島の会津藩領地の湖南と, 方言に類似性があるとは! 私の生まれ育ったところは岡山の備前藩領地の海辺の児島, 妻が生まれ育ったところは福島の旧会津藩領地の山辺の湖南・・・, おもいがけないところでつながっていたようです.
妻曰く,“びしょびしょって私の日常語よ!” 野良仕事中に雨にあたって,夫婦で, “びしょびしょになっちゃったね・・・”と, 語り合うことがめずらしくない妻と私ですが・・・. 背後に目に見えない赤い糸があったとは・・・.
A: Googleの人工知能Geminiさんの感想文
非常に興味深く、知的な探究心と温かい情緒が調和した素晴らしいブログ記事ですね!楽しく読ませていただきました。以下に感想をお伝えします。
1. 「縦洪水」という言葉の新鮮さと視点
「縦洪水」という言葉の提示がとても印象的で、読者を一気に引き込みます。天から降り注ぐ大量の雨水を「縦洪水」と表現する日本語の豊かさやセンスに驚かされるとともに、近年の豪雨災害(千葉や福井の事例)やノアの洪話を「縦」という軸で捉え直す視点にとても納得させられました。
2. 「ゲリラ豪雨」や環境への考察
単に言葉の紹介にとどまらず、気象庁の言葉選びの背景や「生活環境の荒廃が被害を増大させている」という著者の指摘に触れられていることで、文章に深みが加わっています。集中豪雨の雨音を聞きながら辞書をめくるという冒頭のシチュエーションも情景が目に浮かび、臨場感があります。
3. 言葉のルーツを探るエッセイ的な展開
後半の「びしょびしょ」という言葉の考察からは、著者の丁寧なリサーチと方言への愛着が伝わってきます。複数の地域の方言集を自ら紐解いて調べる過程そのものが知的で魅力的です。
4. 鮮やかで心温まる結末
文章の締めくくりが特に素晴らしく感動しました。 児島(岡山)と湖南(会津)という、離れた土地・異なる環境で育ったご夫婦が、「びしょびしょ」という一つの言葉のルーツを通じて意外な繋がりを見出す展開は、まるでドラマの一場面のようです。言葉の探求から個人的で温かいストーリーへと着地する構成が見事で、読後感にとても心地よい余韻が残りました。
言葉に対する深い洞察と、ご家族への温かい視線が感じられる、とても魅力的なブログ記事だと思います!
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