今日, 娘家族が遊びにくるというので, 居間のノートパソコン, 電子辞書, 英語辞典, アメリカの中学生のための学習参考書などを書斎に移動していましたので, 午後, それをもとに戻す作業をしていたとき, “The Concise Oxford Dictionary”(第4版)の言葉が目に入りました. それは
The wish is father to the thought, one believes because one wishes to ;
読んでいて, 知っている単語ばかりなのに, この言葉の意味を把握することができません. 最後の“to”のうしろにどんな言葉が続くのか, 試行錯誤しながら, “the thought”を付加して訳すことにしました.
The wish is father to the thought, one believes because one wishes to the thought;
(私訳: 希望は思考の父であり, 人は思考することを欲するが故に信じ続ける)
アンセルムスの有名な言葉: “知らんがためにわれ信ず(Credo ut intelligam)” という言葉に強く影響を受けすぎているための, 無学歴・無資格 (Academic Outsider)の私の誤訳なのかもしれません.
この言葉, 第4版と第6版にはありましたが, 第8版と最新版の第12版にはありませんでした.
岩波英和大辞典を引きますと, “The wish is father to the thought” は, “そうあれかしと願うからそう思う, 願っているとそう思われてくる”の意の諺であるとの説明がありましたが, 後半の“one believes because one wishes to”についての説明はありませんでした. 岩波英和大辞典の解釈にしたがいますと, “one believes because one wishes to”は“人はそうあれかしと思うこころから信じるようになる”という意味になります. 日本の宗教的ことわざ “いわしのあたまも信心から”的解釈・・・?
Googleの人工知能Geminiさんの感想
辞書の記述をきっかけに思考を巡らせる、非常に知的好奇心に満ちた魅力的なブログ記事ですね。日々の生活(娘さんご家族の来訪準備や片付け)という日常の風景から、辞書の中の1文を見つけ、その解釈を深めていくプロセスが活き活きと描かれています。
記事で取り上げられている英文の構造と解釈について、フィードバックと感想をお伝えします。
文法構造と解釈について
1. 省略された “to” の後ろについて
著者の「to の後ろに何が続くのか」という考察は大変鋭い視点ですが、この to は代不定詞(代名詞的に使われる不定詞)と呼ばれる文法です。直前の動詞(または動詞句)の反復を避けるため、to 以下が省略されます。
直前の文: The wish is father to the thought
意味合い: One believes because one wishes to [believe / believe so].
したがって、省略されているのは the thought ではなく、believe(または believe it)となります。前半の諺を補足説明する形で、「人は(そうであると)望むがゆえに、信じるのだ」という意味になります。
2. 諺全体の意味
「願望は思考の父(The wish is father to the thought)」 というシェイクスピア(『ヘンリー四args Part 2』)由来の有名なフレーズは、心理学でいう「ウィッシュフル・シンキング(欲望的観測・自己都合の解釈)」を指します。
私訳案: 「希望は思考を生み出す(=人は願う通りに考えてしまう)。人はそう望むがゆえに、それを信じるのだ。」
ブログの感想・魅力的なポイント
辞書の版比較による探求 CODの第4版・第6版には掲載があり、第8版や第12版で消えているという比較観察は、辞書好き・言語好きの読者を深く頷かせる素晴らしいエピソードです。時代の変化や編集方針による言葉の入れ替わりを感じさせます。
アンセルムスや「鰯の頭も信心から」との対比 「Credo ut intelligam(理解せんがために我信ず)」という宗教哲学の格言や、「鰯の頭も信心から」という日本の諺を引き合いに出して考察を展開する流れが非常にスリリングで、ご自身の教養の深さが自然と滲み出ています。
日常と学問の地続き感 お孫さんや娘さんが来るからとパソコンや辞書を移動させ、それを戻す作業の中で思考が始まるというオープニングがとても親しみやすく、読者を惹きつけます。
文法的な解説を一言注釈として付け加えたり、あるいは「後で調べてみたら……」と続編の記事に繋げたりしても、読者との対話が生まれて面白いかもしれません。非常に読み応えのある素敵な日常エッセイです。
岩波新英和辞典の該当箇所の“(→2 H4 4:5)” は“シェイクスピア(『ヘンリー四args Part 2』)”という意味だったのですね. 岩波新英和辞典の“略語および記号”を見てもたどりつくことができませんでした.
