2026/01/18

隠退牧師に対する違和感・・・

    日本基督教団西中国教区の山口のちいさな教会の牧師をしていたとき, その教会には元牧師夫人がいたり,元担任教師夫妻がいたり, 他の教会の牧師の娘や孫がいたり, ある意味, 信仰深い人々の集団であったのですが, 前任者は自害・・・.

    西中国教区総会議長と日本基督教団事務所で会ったとき, "君は神の召命を信じているのか? 信じているなら,私がこれからいう教会に赴任してくれ. 承諾してくれたら, その教会がどんな教会か話す・・・" ということでした. 私が承諾すると, 西中国教区議長は,その教会の前任牧師が自害した,その教会の再建目処がたたないので, 5年間その教会の牧師をして再建の可能性がないと判断したら教会を閉鎖してほしい.そのあとの任地は, 西中国教区で考えるから・・・と私に話しました(教区議長は5年後に急逝し, 教区議長の約束は空手形におわりました).

    その教会に赴任すると同時に,私は, 批判されることになりました. "前任牧師が自害した教会でも宣教と牧会ができると, のこのこ赴任してくるなんて, 傲慢にもほどがある"と, 西中国教区議長が出た大学の神学部と同じ神学部を出た牧師たちによって・・・.

    赴任してはじめての教会総会のとき, その教会の元担任教師(副牧師)が提案をはじめました. "吉田牧師がほんとうに神から遣わされた牧師かどうか,験してみましょう.吉田牧師がこの教会の牧師をしている限り,献金を止めることにしましょう. もし, 吉田牧師が神さまから派遣された牧師なら, 私たちが献金しなくても, 神さまが養ってくださるでしょう・・・" ,その熱弁に教会員の半数が献金を止めることになりました.

    その元担任牧師は, 前任牧師が自害したあと,その教会の主任担任教師に返り咲きたいと思っていたようですが, 彼の期待に反して,30代中頃の牧師が赴任してきたということで, こころに葛藤を覚えたようです.

    彼をさらに立腹させたのは,私が, 高齢の信徒宅を1週間に1度家庭訪問して,聖書を読んでお祈りをする,そして教会員の話に耳を傾ける牧会をはじめたときです. その隠退牧師は, "あなたは, 牧会をしなくていよい.あなたが牧会をして,教会員の家を尋ねると,これまで私のところに入ってきたお金やコメ・野菜が入らなくなる"と話していました. 高齢の教会員は,"あの先生は, 定期的に教会員宅をまわって,風呂敷に包んでもって帰るのです. 私たちは,あの先生にこれまでと同じようにお布施をさしあげますから,吉田先生は,家庭訪問を続けてください"ということでした.

    隠退牧師とはなになのか?

    彼に直接その問いをぶつけますと,彼は,"隠退牧師は, 文字通り, 隠れ退く牧師のことだが, 隠れ退いて何もしないのではなく, 隠れ退いて牧師を続けることだ.ときどき説教を頼まれて謝礼をもらったり,家庭訪問してコツジキするのも隠退牧師のつとめだ" と答えていました. 私は,日本のキリスト教界の牧師は, 現役のときだけでなく隠退してからも大変で, その隠退牧師のような牧師が日本全国多々存在しているのだろうと推察しました. そして, 主任担任教師を辞してその教会を離れるときは, 
 
 その教会の近くに身を置かないこと, 後任の牧師に全面的に移管することが大切であると思いました.

    2013年4月1日に, 私が65歳のとき, 日本基督教団の隠退牧師になり,東北福島の妻の実家のある湖南に帰郷・帰農したときは, 私は, 妻とふたりで, 年金暮らし&百姓暮らしをはじめました. "我らに日々糧をあたえたまえ" と祈りながら,有機・無農薬で自給用にコメと野菜の栽培をはじめました. そして今年で14年目・・・, 教会から隠れ退いた生活と暮らしをしています. 今は,下松・新庄・横浜・東京・千葉の信仰者のためにとりなしの祈りをするのみ・・・.

    日本基督教団の場合,"隠退牧師"は,学校教師のように,引退して教師をやめるのではなく,隠退しても牧師としての尊厳を失うことがないように自制して生きることが求められます.私が洗礼を受けた 端典組合教会の現在の教会・教団は, 65歳定年制を法制化しています. 高齢になった牧師を抱えるのは,教会の負担になり, 宣教の妨げになるという遠謀深慮が働いているのでしょう.

    "牧師がどのような生き方をするのか,それは, 神によって派遣された場所で神が与えてくださる・・・" とは,鶴川学院農村伝道神学校の実践神学の教授・関田寛雄先生が最後の授業のときに語りかけてくださった言葉です.

    2013年4月1日に,妻のふるさと・湖南の赤津村に帰郷・帰農したとき, "ここらのもん"であるプロの農家の方々から,誹謗中傷・罵詈雑言,徹底的な排除・疎外に曝されました.

    ・湖南農協の組合員にはしない
    ・コメつくりに必要な種籾や化学肥料などは一切供給しない
    ・コメの作り方は教えない
    ・米作りに労力を提供しない
    ・よそもんにここらのもんの農道や農業用水路に水を勝手には使わせない
    ・労働の機会を与えず, 収入の道を閉ざす

    "2~3年すれば, 貯金も使い果たしてここさ出ていくべえ! 帰ってこなくてええのに,帰ってくるからひどい目にあうんだ!" という "ここらのもん" であるプロの農家の期待に反して,妻と私は,12年,"ここらのもん"が収穫できないというコシヒカリを栽培・収穫してきました. そnプロの農家たちは, 稲作農家をリタイアして, 集落11軒のうち自分で米を栽培しているのは妻の実家を含めて2軒だけ・・・.

    隠退牧師の老後を支えてくださるのは, ただ "主なる神のみ" ・・・, それを実感させられる日々です. 日本基督教団の年金は, Anazonや日本の古本屋で, 安価な古書や古本を入手するときの費用になりました. 妻の実家のおかあさんが92歳でなくなったあとは, 妻は,"教団年金は,あなたが好きなように使って・・・" といいますので,公共料金・車両の保険料が引き落とされたあとの額を古本集めに使うことにしました. 必要な本は, 昨年末で収集終了・・・.今年になって注文しているのは, おもに信仰と神学関連の本ばかり・・・. 
 

     
  

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