午前中, 9:00-11:00, 棚田の, 妻の実家の田の農業用ビニールハウスの南側と西側の除雪作業をしました.
農業用ビニールハウスの肩の部分に, 降った雪が雨で解けて凍り,ハウスの内側に向けて圧迫するようになると, ハウスが倒壊する可能性があります.
除雪用スコップとハンディラッセルを持って, 軽トラを止めたところから約200m歩いてハウスにたどり着きましたが, ハウスの入口近くにおいているタンクは, 高さ100cmありますが, すっかり雪に埋もれていました. ハウスの南側は180cm高さ雪がつもっていました. ハウスの肩の雪とその180cm高さの雪が連なっている部分もありました. そのままにして帰ると, ハウスが次の雪で倒壊する可能性があると判断して, ハウスの西側と南側を除雪することにしました.
除雪をしているとき, いやが上にも目に飛び込んでくる, 棚田の上方の田につくられた,福島県農業者10傑に数えられる有名なプロの農家の農業用ビニールハウス4棟・・・. そのうちの2棟が倒壊している光景・・・. 見ているだけで胸潰れる思いがします. しかし, 見ているうちに, "さすがプロの農家のハウス,4棟全部が倒壊しても不思議でない状況で2棟は無傷!" と感心・・・. 妻の実家のハウスの除雪を終えて帰る時, 農道から, 倒壊していないハウスの構造を確認させていただきましたが, 倒壊を防ぐためにはどうすればよかったのか, その対策方法を即策定することができました.
プロの農家の農業用ビニールハウスであるからこそ今回の豪雪で倒壊・・・. プロの農家は, 農業における採算性を考慮して農業用ビニールハウスを構築するのが常・・・. それにひきかえ, 素人の百姓である妻と私は, 採算性を度外視して農業用ビニールハウスや簡易温室を作ります. プロの農家のハウスが倒壊すると自然災害のせい,素人百姓のハウスが潰れると, ものわらいのネタにされます. "素人がつくるハウスなんぞ,ここらの雪ですぐ潰れてしまうべえ! 潰れてなきべそかくの,見るのが楽しみだなあ!" というプロの農家が少なくありませんでした.
"新編防雪工学ハンドブック" には, "防雪対策を決定するときは, 技術面に重点をおいて, 防雪対策や施設の良否を決定することが多い. しかし, 防雪が一種の防災であるとしても, その対策には経済性をも考慮しなければならない.ここに施設の選択と経済性という問題がある" とありますが, 今回の想定外の豪雪に際して,倒壊を防ぐための "技術面"を重視するか,それとも妥協して "経済面" を重視するかによって, ハウスの倒壊をめぐる明暗が分かれるようです.
財団法人日本建設機械化協会編 "新編防雪工学ハンドブック" (1988年 森北出版) は, 雪国の生活と暮らしの極めて有用なガイドブックです. そのまえがきには, 雪害は "自然災害" より "社会的災害" であると主張しています. "近年連続した豪雪によって生じた各地の被害や混乱は, その要因を単に自然現象のみの生徒スべきではなく, 雪氷対策としても災害対策の段階に止まらず, 社会経済全般にわたる地域の環境改善にむけられねばならない"
"雪に関する解決は,雪の中で考えろ!"
豪雪時における農業用ビニールハウスの倒壊を防ぐためには, 倒壊する前に, 安全を確認して, 農業用ビニールハウスの中に入り, 積雪による農業用パイプの軋み,悲鳴を耳にして, それが聞こえなくなるまで対策をとればよい・・・. 妻の実家の棚田の田の農業用ビニールハウスは, 徐々にその声を聞きながら改善に改善をした結果, 今回の豪雪によるハウスの倒壊を免れたようです. "主なる神さま,ハウスを雪害からお守りください" と祈りながら,なしうる限りのさまざまな対応をとっています.