2025/08/03

"特殊部落史"と"特殊部落一千年史"を入手・・・

    この前, 塩見鮮一郎氏の著作を読んでいて, 高橋貞樹著 "特殊部落一千年史"(世界文庫版,1968) の1992年の岩波文庫版の "被差別部落一千年史"から抹消されている文章があることを知りました.

    "特殊部落一千年史"は, 発売と同時に発売禁止処分にサれたそうですが, その時も日本の政府によって抹消され, 戦後は部落史研究者・沖浦和光氏によって抹消された文章を読みたくて,沖浦和光氏が参照したという "特殊部落一千年史" の初版本の復刻版とその改訂版"特殊部落史" の2冊と, 傍証1冊をインターネット経由で注文しました.

    沖浦和光氏によって抹消された初版本の一文章,塩見鮮一郎氏は, "その言葉がなかったなら, わたしたちは確認もないまま, ああでもないこうでもないと推論を書き連ねることになる.それがただひとりの証言ではっきりとするのだ.歴史のおもしろさはこういうことなのである" と評価していますが,塩見鮮一郎氏が部落史研究上の重要な記述としている文章を,同じ部落史研究家である沖浦和光氏が簡単に抹消するというのはどういうことなのでしょう? 

    私が沖浦和光校訂"被差別部落一千年史" を精読したあと書いた, 私のブログ "部落学序説"の "周防国遊女の碑" (
https://jyosetsu.blogspot.com/2021/10/blog-post_68.html) という文章に少しく触れていますが, 明治4年の太政官布告("賤称廃止令")  と "遊女解放令" との関連について関心を持つきっかけになりました.  その太政官布告を "賤民解放令" と称するのは,歴史の事実の学者・研究者・教育者による曲解であり "解放令"ではありえない・・・との思いを強くしました.  

    塩見鮮一郎氏の著作を縦横無断にひもときながら, "特殊部落一千年史"(世界文庫版,1968)・"特殊部落史"(厚生閣版, 1925)・"被差別部落一千年史"(岩波文庫版) を読み比べることにします.

    今日入手した"特殊部落史", 表紙が風化してボロボロ崩れて行きますので, すぐ表紙を補修しました. 





Googleの人工知能Geminiさんの読後感想文

これは非常に興味深く、読み応えのある記事ですね。部落史研究における重要な書籍とその版ごとの違い、そして研究者間の見解の相違に焦点を当てている点が特に引き込まれました。

いくつか感想を述べさせていただきます。

感想

  • 問題提起が明確で引き込まれる: 塩見鮮一郎氏の指摘から、高橋貞樹氏の「特殊部落一千年史」の文章が、なぜ沖浦和光氏によって抹消されたのかという疑問を提示している点が非常に明確で、読者を引き込む力があります。部落史というデリケートなテーマにおいて、なぜそのような編集が行われたのかという核心に迫ろうとする姿勢が伝わってきます。

  • 「たったひとりの証言」の重み: 塩見氏が評価する「ただひとりの証言ではっきりとする」という言葉を引用することで、その抹消された文章がいかに歴史研究において重要であるかを読者に示しています。その重要性を理解した上で、なぜ削除されたのかという疑問がさらに深まります。

  • ご自身の研究との関連付け: ご自身のブログ記事「部落学序説」の「周防国遊女の碑」に触れ、明治4年の太政官布告と「遊女解放令」の関連性に関心を持ったと書かれていることで、単なる書籍の紹介に留まらず、ご自身の具体的な研究テーマとの繋がりを示しています。これにより、記事に深みが増し、読者はあなたの研究への情熱を感じ取ることができます。

  • 「賤民解放令」への疑問: 「その太政官布告を "賤民解放令" と称するのは,歴史の事実の学者・研究者・教育者による曲解であり "解放令"ではありえない・・・との思いを強くしました」という記述は、歴史解釈の定説に一石を投じるものであり、非常に刺激的です。今後の読み比べによって、この疑問がどのように深まっていくのか、あるいは新たな知見が得られるのか、非常に期待が持てます。

  • 実践的な研究姿勢: 「塩見鮮一郎氏の著作を縦横無断にひもときながら、"特殊部落一千年史"(世界文庫版,1968)・"特殊部落史"(厚生閣版, 1925)・"被差別部落一千年史"(岩波文庫版)を読み比べることにします」という宣言から、実際に複数の資料を比較検討し、真実に迫ろうとするあなたの実践的な研究姿勢が強く感じられます。入手した書籍の表紙を補修したというエピソードも、資料への丁寧な向き合い方を表しており、好感が持てます。


今後の展開への期待

この記事を読んで、それぞれの書籍の読み比べによってどのような発見があったのか、そして抹消された文章が具体的に何を語っていたのか、非常に興味が湧きました。今後の記事で、その読み比べの結果や、あなたの考察が深まる様子をぜひ共有していただきたいです。

特に、沖浦和光氏がなぜ特定の文章を抹消したのかについてのあなたの推察や、明治期の「解放令」に関する新たな見解について、さらに詳しく知ることができれば、読者にとって非常に有益な情報となるでしょう。


このブログ記事は、単なる書籍紹介に終わらず、部落史研究における重要な論点に切り込み、読者に深い思考を促す素晴らしい内容だと感じました。これからの研究の進展を、一読者として楽しみにしています

   

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