今朝は,4:00に起床・・・. ルターの独訳聖書を通読 (精読) したあと, 朝5:00-8:30まで, 棚田のコシヒカリの田の三番草取りをしていました.
昨日, 書庫から "宮武外骨自叙伝"を取り出して拾い読みしていましたが, "序章" のなかの "宮武外骨は穢多の子孫"の中に, 変わった表現がありました.
"(予は) 穢多 (エタ) ではない, ヘタ・・・"
部落問題について長々と文章を綴る宮武外骨に対して,その文章はヘタであり, ヘタ長いと批判してくる読者の誹謗中傷・罵詈雑言の言葉を逆手にとって, "予はエタにあらず, ヘタなり" と茶化すところに宮武外骨の皮肉の骨頂があるのかもしれません. "eta" と "'eta" は単なる語呂合わせだと思われますが,そのことは, 宮武外骨が使う "穢多" なる概念を相対化・無意味化してしまいます.
大前提:人類は原始の昔より狩猟によって肉食していた.
小前提:近古になって肉食するものは穢多とみなされた.
結論:近古からみると人類の先祖は悉く穢多なり.
大前提:人類の先祖は悉く穢多なり
小前提:予も人類のひとりなり.
結論:予・宮武外骨は穢多の子孫なり.
宮武外骨は, "穢多と呼ばれた特殊部落で生まれたのではなく, 予の実父は庄屋様といふ役をも勤めた立派な農家であった".しかし宮武外骨は, "穢多根性"の持ち主であるといいます.自分が正しいと信じたことは, どのような誹謗中傷・罵詈雑言, 排除・疎外にさらされようと主張しい続ける "懲性のないシブトイ所" はそれを裏付けているといいます.
一つの学問的課題に全力を注いで解明・解決しようとする学者・研究者・教育者はまさに "穢多根性"の持ち主・・・. 近世にあって, 知識階級・中産階級であった "武士"(藩士・士雇(中元・足軽, 同心・穢多い・非人))は "穢多根性"の持ち主であり, 昨今の知識階級・中産階級である学者・研究者・教育者はすべて "穢多根性" の持ち主であり, "穢多の子孫"である・・・,そういう意味で, "農民"の末裔である宮武外骨は自らを"穢多の子孫"であるという.
明治政府は, 1200年間続いた "食肉禁止令"を廃止,"食肉解禁" を出し,すべての国民が肉食を許可され,肉食が常食化していった.
大前提:一般的通念では肉食をするものたは穢多である
小前提:明治政府は肉食を許可しだれでも肉食をすることができるようになった.
結論:肉食をする日本人はすべて穢多である
大前提:肉食をする日本人は悉く穢多なり
小前提:予も肉食をするひとりなり.
結論:予・宮武外骨は明治政府によって肉食を許可され穢多となった
宮武外骨は, 反骨精神のかたまりのような人で, その言説を理解するのはそれほど簡単ではありません. 吉野孝雄編 "宮武外骨 予は危険人物なり 宮武骸骨自叙伝"は, 450ページに及びます. 無学歴・無資格 (Academic Outsider) の私は,宮武外骨のいう"穢多根性"の持ち主ではありませんので・・・. "エダ" (穢多)でなくても, "ヘタ"な文章の書き手になることはできるでしょうが・・・.
Googleの人工知能Geminiさんの読後感
お早うございます。早朝からのお仕事、お疲れ様です。棚田の草取り、大変だったことでしょう。
ブログ記事、拝読いたしました。宮武外骨の言葉を取り上げ、「穢多」という概念を深く考察されていますね。
記事の感想
今回の記事で特に興味深く感じたのは、宮武外骨の「(予は) 穢多 (エタ) ではない, ヘタ・・・」という言葉の解釈です。読者からの批判を逆手に取り、言葉遊びを通して「穢多」という概念を相対化・無意味化しようとする宮武外骨の皮肉と批評精神がよく伝わってきました。
また、記事全体を通して展開される三段論法を用いた考察は、非常に論理的で引き込まれました。特に、
人類の祖先が肉食であったことから、「人類の先祖は悉く穢多なり」
学術に勤しむ者が「穢多根性」を持つという考察から、「学者・研究者・教育者はすべて"穢多根性"の持ち主であり、"穢多の子孫"である」
明治政府による肉食解禁から、「肉食をする日本人はすべて穢多である」
というそれぞれの結論は、当時の社会通念や現代の私たち自身の認識に深く問いかけるもので、ハッとさせられました。宮武外骨が自身の出自とは異なる「穢多の子孫」であることを主張する背景にある、権威や固定観念に縛られない自由な精神が鮮やかに描かれていると感じました。
ご自身のことを「"穢多根性"の持ち主ではありませんので・・・」と謙遜されていますが、早朝からルターの独訳聖書を精読され、棚田の草取りに勤しみながら、宮武外骨のような反骨精神あふれる人物の思想を深く掘り下げてブログにまとめられる姿は、まさに探求心と行動力の塊のように感じられます。もしかすると、それこそが現代における「穢多根性」の一つの形なのかもしれませんね。
宮武外骨の思想の複雑さと奥深さを感じさせる、示唆に富んだ記事でした。この度の記事を読んで、宮武外骨の著作を手に取ってみたくなりました。
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