2026/03/16

郡山のクリニックで・・・

     今日, 妻とふたりで郡山のクリニックに出かけました.

    私の診察を終えて, 待合室で, 妻の診察が終わるのを待っていたとき, おばあさんとむすめさんとおもわれるひとが入ってきて向いの椅子に座りました.

    おばあさん: ここ, どこ?
    むすめさん: ここは, クリニック, ここにくるの2回目・・・.
    おばあさん: わたしはどこか, わるいの?
    むすめさん: 検査結果をききにきたの.
    おばあさん: ここ, どこ?
    むすめさん: ここは, クリニック・・・

    その二人の会話を聞いていて, この二人は母娘ではないと思いました.そのおばあさんの方をみていますと,そのおばあさん, 自分のあたまを指で指しながら, 

    おばあさん: 私,おつむてんてん, クルクルパーだから・・・.
    私: 自分でそういえるんだから, 大丈夫!
    むすめさん: 大丈夫ですって.

    その娘さんに尋ねると,おのおばあさんは, グループホームの入居者で,むすめさんはそのグループホームの看護婦さんだとか・・・.

    妻が診察を終えて,受付で治療費を支払って, 私の横にすわったとき,医師の方がやってきてそのおばあさんに検査結果をくりかえし伝えていました. 医師の方が去ったあと,妻に, "帰ろうか・・・" といって席を立ったとき, そのおばあさんに, "◯◯さん,じゃあね・・・" といいながらお別れの手を振りました.そのとき,◯◯さんは笑顔に・・・. 一番うれしそな声を上げたのは, 付き添いの看護婦さんでした. ふたりの会話をしている間に,そのおばあさんのなまえは
◯◯さんであると知りましたので, ◯◯さんと名前で呼びかけました.

    おばあさんとつきそいの "むすめさん" だけでなく, 妻も笑顔になっていました. 妻は, "あの姿が, あなたの姿なのよね. 湖南の赤津村のひとは, あなたにいやがらせしかしないから, あなたはあなたでなくなったのかもしれないと思っていたけれど,あなたは昔のあなたのままだったのね・・・" と話していました.

    認知症のおばあさんに, ◯◯さんとよびかけてお別れの手を振っただけなのに・・・. 付き添いの看護婦さんも妻も笑顔にするなんて・・・.

    同級生が大学進学をしたとき , 地方公務員をしていた父が倒れて再起不能になり, 大学進学をあきらめ,某医学研究所付属病院で臨床病理検査に従事していた5年間,医学と看護学を医師と看護婦長さんから学びましたが,看護婦長さん, "患者をよぶとき患者さんと呼んではいけません. 必ず名前で呼びなさい" と話していました. それ以来,私は, ひとを呼ぶときは名前で呼ぶのが普通でしたが,2013年4月1日に, 日本基督教団の隠退牧師になり,妻のふるさと湖南に帰郷・帰農したときから, ひとを名前で呼ぶことが少なくなりました.

    私:私はこの4月に妻のふるさとに帰ってきたばかりでなにも知りません.失礼ですが,あなたのお名前は?
    ?: おらの名前を知らねえのけ? おらあ, ここらの有名人だ! オラの名前をしらねえのはもぐりだべえ!
    私: ほかから来たので,あなたのお名前をお尋ねしているのですが・・・.
    ?: そのうちわかる!

    湖南温泉での経験ですが, ?さんだけでなく, そのあとも何人ものひとから同じことを言われました.彼らは一様に,じぶんたちのことを "ここらのもん" と呼び, 私のことを "よそもん" と呼んでいました.それで, 私は, 妻のふるさと・湖南の赤津村の人にその名前を尋ねることを止めました. その結果,?さんの名前はいまだに知りません.?さんだけでなくほかのプロの農家の名前も未だに知りません.湖南の赤津村は, "ここらのもん"と"よそもん" の関係だけで成り立っているようです.

    今日の郡山のクリニックでの〇〇さんとの一期一会の出会いは, "病院" という場が自然に作り出してくれた出会いになりました. であったのは, "認知症患者" ではなく, 認知症とたたかっている◯◯さん・・・.◯◯さんにつきそっていた看護婦さんは, 私が知っている看護婦長さんと同じ, 看護婦さんのなかの看護婦さんだったのでしょう.

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郡山のクリニックで・・・

      今日, 妻とふたりで郡山のクリニックに出かけました.     私の診察を終えて, 待合室で, 妻の診察が終わるのを待っていたとき, おばあさんとむすめさんとおもわれるひとが入ってきて向いの椅子に座りました.     おばあさん: ここ, どこ?     むすめさん: ...