妻が, "新式伊呂波引節用辞典" を見て, "随分, 年季の入った辞書なので・・・"といいます.
私が小学校に入ったとき, 父から入学祝にもらった, 祖父の吉田永学が愛用していた漢和辞典だと説明しますと, 妻は, "しっかりしたつくりなのね.明治38年に発行されたのに・・・" と驚いていました.
なにしろ120年前の辞典ですから・・・.
"新式伊呂波引節用辞典" は,漢和辞典+名数辞典+俚諺辞典+医学辞典+地理辞典+歴史辞典を組み合わせた辞典です, "名数辞典" は2,090ページに及びます. たとえば, 次のような名数が掲載されています.
人生の二至:
至楽は読書に如くはなし
至要は子を教ふるに如くはなし
五知:
時を知る
難を知る
命を知る
退を知る
足を知る
人生の五計:
生計
身計
家計
老計
死計
身を殺す四忌:
酒
色
財
気 (気とは・・・妾に気力を用ふるをいふ)
四無妄:
耳は妄に聴くことなかれ
目は妄に視ることなかれ
口は妄に言ふことなかれ
心は妄に慮ることなかれ
寇莱公の六悔:
管して私曲を行へば失ふ時に悔ゆ
富て用を倹せざれば貧き時に悔ゆ
芸を少くして学ばざれば過ぎたる時に悔ゆ
事を見て学ばざれば用ふるときに悔ゆ
酔ひて狂言を発すれば醒めたる時に悔ゆ
安き時に将息せざれば病む時に悔ゆ
"名数" は人生訓の集合体であるようです. 名数は, "和漢の名数を列挙し,西洋に係るものをも録しぬ" とありますから, 古今東西の生きる知恵を集めたものであるようです.最近は, あまり耳にしたり目にしたりすることがないものですが・・・.
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