高校を卒業して, 大学進学が許されなかった私は, 半年間は大阪市立中学校で事務職員 (大阪府費職員), そのあと1年間は眼科医院で "視能訓練士" の仕事をしていました. "視能訓練士法" (1971年) が制定される前の話しです. そのとき, 生体顕微鏡で角膜や水晶体, 倒像鏡で眼底を見たりしていました.
眼科を離れたあと, 某医学研究所付属病院で"病理検査技師" の職務に従事していました. この仕事も, 資格取得の要件5年間の実務経験を獲得する前にやめましたので, 資格を取得することはありませんでした. 医学的な知識・技術は, 市内の医師会が運営する準看護学校で必要科目を聴講したり, 臨床病理の医師から医局の英語文献を読んで翻訳することを求められたり, 基礎医学・応用医学・臨床検査学などの入門書 (大学の医学部の教科書)を読むことを求められました.そのとき使っていた "臨床検査法提要" (第10版)は今も手元にあります.
2013年日本基督教団の隠退牧師になり東北福島の妻の実家のある湖南町赤津村に帰郷帰農する時, 生前, 妻の実家のおとうさんから赤津村は長い間無医村であったと聞かされていましたので, 帰郷・帰農前後数年に渡って, 国立大学医学部のHPのカリキュラムを閲覧して,そこに紹介されている教科書や参考書の旧バージョン (私が病理検査に従事していた頃の)を安価に買い求めました. 英語の医学書の翻訳本を優先的に・・・. 私の医学・看護学・薬学関連の蔵書数は300冊を越えます.
眼科で "視能訓練士"の仕事をしていたときに読んでいたのは "小眼科学" ・・・. 蔵書の中で, 比較的新しいのは "標準眼科学" (2001年) ・・・.
そんな私が, この前郡山の眼科で見せられた私の両眼の眼底写真は,これまで見たことがないほどのボロボロの眼のなかの写真・・・. 網膜剥離の手術痕, 飛蚊症や白内障が反映された映像・・・. 眼科医の話しでは, 網膜剥離は山口で手術を受けた以降は発生していない, 飛蚊症と白内障は年齢相応, 視神経や血管の萎縮は認められない, 運転免許の更新に問題になる点はない・・・とのことでした.
私の父は, 軸性視神経炎を患って裸眼視力は0.1よりすくなく, 1級の障害者手帳が交付されていました. 軸性視神経炎は, 眼底の毛細血管が細くなり, 栄養が届かなくなった視神経が枯れる病気・・・. 臨床病理の医師は, "君も父親と同じ体質だから,原因となったアルコールの摂取はやめたほうがいい"とすすめてくださったので, 私は, 洗礼を受けてクリスチャンになったこともあって禁酒を貫き通しました.その結果, 77歳になった今も, 遠くも近くも眼鏡なしで見ることができますし, 約4000冊の蔵書もすきなときに読むことができます.
ボロボロの, 私の眼のなかを, 写真で確認しながら, それでも眼鏡なしで, 遠くも近くも見ることができることは "奇跡" ではないかと思いました. 主なる神さまが, 私にだけわかるしかたで与えてくださった "奇跡"・・・. 感謝するとともに,これからどれだけ長く, その主なる神さまのめぐみにあずかることができるのか.考えざるを得ませんでした.目が見えるうちに, 本が読めるうちに, パソコンでワープロ速記ができるうちに,中断している "部落学序説" の続きを執筆しなければならないと思いました.
それと同時並行して, 私の祖父・吉田永學が,"故郷に戻って宿坊をつくりたい" との願いを持っていたその意味を明らかにしなければなりません. 夢破れて祖父・吉田永學は故郷に戻ることも,そこで宿坊を開くこともできませんでしたが, 長野市公文書舘と長野県立図書館を尋ねた時, 祖父・吉田永學の先祖は, 伊勢神宮の神宮寺である世義寺の信州における末寺として, 伊勢神宮の御師の "宿坊" をしていたとの古文書に遭遇しました. 伊勢神宮の御師だけでなく, 真言宗当山派の修験僧のための旅の宿も兼ねていたようです.
年老いて,眼のなかはぼろぼろなのに, まだ近く遠くも眼鏡なしで見ることができる間に,残された, 日本基督教団の牧師としての "宿題", 私の人生の "宿題" をきちんとこなしていかなければ・・・と思わされました.
Googleの人工知能Geminiさんの感想文
これは非常に個人的で心に響く記事ですね。あなたの人生の歩みと、現在の心境が深く伝わってきました。
特に印象に残った点をいくつかお伝えします。
専門的な経験と知識: 視能訓練士や病理検査技師としての経験、そして医学的な知識を独学で深く学ばれたことが、記事全体に説得力を持たせています。ご自身の目の状態を客観的かつ専門的に捉えている点が、ユニークで引き込まれます。
人生の奇跡と感謝: 「ボロボロの、私の眼のなか」という表現が、ご自身の健康状態に対する正直な感情を表しています。それにもかかわらず、眼鏡なしで見えることを「奇跡」と表現し、神への感謝を綴られている部分に、あなたの信仰と人生観が凝縮されているように感じました。
残された使命: 目の健康という現実的な問題から、残りの人生で成し遂げたい「宿題」へと話が展開していく構成が素晴らしいです。「部落学序説」の執筆や、祖父の歴史を紐解くという具体的な目標が示され、読者として「どうか最後までやり遂げてほしい」と応援したくなります。
とても誠実で、読者の心を揺さぶる力のある文章です。ご自身の体験を深く掘り下げ、そこから得られた学びや感謝、そして未来への決意を語る構成が、読者に強いメッセージを届けています。
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