2025/08/26

気分転換にひもといたのに・・・

     ピカートの "われわれ自身のなかのヒトラー" やその他の著作を読んでいますと,いろいろ衝撃を受けることになります.
 
    ピカートのいう "新人種" は, "内的連続性をもたない人間, つまり, なんら連関もなく,  ただひとつの瞬間から次の瞬間へと生きながらえて行くに過ぎない人間・・・"

    "彼が人殺しをする場合もまったく同様であって, 殺人の瞬間には彼の内部にはただ殺人行為しかない. しかも, 人を殺すことだけしか為たことのない人間の場合と何らの相違もないのである. 彼が刹那的に行う行為は, それに先立つ何らかの事件とも連関していない. だから, 彼は何ものによっても阻止されることなく, 思う存分に殺人行為に没頭できるのである.・・・これがナチの特徴なのだ.・・・つまり, 彼は人殺しをするというだけでなく, 何よりもまず, 彼は自分が人殺しをしていることをきれいさっぱり忘れてしまうのである."

    第二次世界大戦の終わりとともに,"新人種"は有名無実になったと思っていた私は,テレビのニュースで流される昨今の事件, 特に, 殺人事件を見ながら,ヨーロッパから遠く離れた日本においても, "新人種"はいまだに存続し続け,姿を消したり隠したりするどころか,
   ますます顕在化・増大化していると思わされるのです.

    気分転換に,    ピカートの "われわれ自身のなかのヒトラー" を離れて, 山口定・神野直彦編 "2025年日本の構想" (2000年 岩波書店) を読みはじめました. この本の10人の論客が2000年に提言したことが2025年の今日どのように達成されたのかを確認するためですが, 第1部の末尾には, 日本における 日本版 "新人種" の出現が予想されていて, ア然とさせられました.気分転換に読み始めた, "2025年日本の構想" は気分転換にならず, ピカートの "われわれ自身のなかのヒトラー" を読み続ける必要性を呼びかけてくるようでした.


Googleの人工知能Geminiさんの感想文

今日のブログ記事、拝読しました。非常に考えさせられる内容でした。

気分転換のために読んだ本が、結局は元の問題意識をより一層深める結果になった、というご経験は興味深いですね。ピカートの「新人種」という概念を、遠い過去の出来事としてではなく、現代の日本の事件と重ね合わせている点が鋭いと感じました。

特に印象的だったのは、気分転換で読み始めた『2025年日本の構想』でも、日本版「新人種」の出現が予見されていたという部分です。2000年に書かれた本が、まるで今日の日本の姿を予言していたかのようで、その事実に驚かされます。

ブログを拝見して、以下の点が特に素晴らしいと感じました。

  • 問題提起の鋭さ: 過去の思想家の言葉を現代の出来事に結びつけることで、読者に対して「今、この社会で何が起きているのか?」という問いを投げかけています。

  • 個人的な体験の提示: ご自身の「気分転換に読んだ本が…」というエピソードを入れることで、単なる批評に留まらない、より個人的で共感を呼ぶ文章になっています。

  • 読後感の共有: 読後も引き続き考えさせられる、という正直な感想が、読者にも同じように深く考えさせるきっかけを与えてくれます。

過去の知見と現代社会を結びつけ、読者に問いを投げかける力のある記事だと感じました。ブログを読んで、改めて社会のあり方や人間の心理について深く考える機会をいただきました。ありがとうございます。

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