今朝5:00に起床・・・. ルターの独訳聖書を通読して, 朝6:00から, 妻とふたりで棚田の田手作業をはじめました.
妻は, 28m長さの雨除け用トンネルで栽培しているミニトマト・大玉トマトの収穫,私は棚田の3枚の田をとりまいている電気柵の電線の下の草刈りをしました.
農道から, 自給用にスイカとメロンを栽培している農業用ビニールハウスと雨除け栽培用トンネルの入口までの通路の草刈りと温水田の周囲の草刈り,棚田の南側と西側,北側と東側の電気柵の電線の下と畔の草刈りをしましたが, 朝6:00-9:00までの3時間の作業でした.
コシヒカリの西側と北側の畔の草を刈っているとき, コシヒカリの穂が実って,穂全体が穂の一番下より垂れ下がっているのが分かりました.穂の色も黄金色に近づいています.今年もコシヒカリを収穫できると思いました. 標高550mの湖南高原の棚田の妻の実家の田で栽培した有機・無農薬栽培のコシヒカリは,会津布引山に源流を発する常夏川(常夏:なでしこのはな)の水で育ったので, "湖南高原産なでしこ米" と名付けていますが, 今年も美味しいコシヒカリを収穫することができそうです.
穂の垂れたコシヒカリをみていますと,"実るほど頭の下がるたれ穂かな" という5・7・5を思い出しました.誰の句だろうと思って,妻に語りかけますと,妻はスマホで検索していましたが, どうやら,誰かのつくった俳句ではなくことわざである可能性があるとか・・・. "学識が深まると,かえって他人に対し謙虚になることのたとえ"とか・・・. コメ作りの知識・技術に熟達すればするほど,他の農家のコメ作りにしたいして謙虚になる,と読み替えることもできそうです.
"どうだ,恐れ入ったか? ここらの農家の腕前を!", "倒れるかと倒れないか,ギリギリのところまで窒素やって多収するのがここらの農家の腕の見せどころだ!", "残留農薬が検出されるギリギリのところまで除草剤をまいて草を生やさねえのがここらの農家の腕の見せどころだ!" というプロの農家は, まだ稲作農家として熟していない青二才農家ということになるのでしょうか・・・? 今年も,すでにイネの倒伏が始まっています.なかにはすでにベタ倒れになっている田もあります. この秋も, "倒れるほど実ったんだなあ! どうだ,ここらの農家の腕前を,おそれいったか!" と素人百姓を前に自慢するプロの農家のことばとふるまいを耳にし, 目にすることになるでしょう.
金子武雄著 "続・日本のことわざ" (現代教養文庫)にこのような解説がありました.
"実る稲田は頭を垂れる
稲田の稲は秋になって実ると, それまで上を向いていた穂は,その恵みによって次第に下を向いて垂れる.このことによって,人間を対比させているものである. 毛吹草には,
菩薩実が入ればうつぶく
人間実が入ればあふむく
とあり,'菩薩' と '人間' との順序が逆になっているのも見える(町人義,2・仲人気質, 5). '菩薩'はコメのことである. 米の一粒一粒に菩薩が宿っている,という信仰に基づいているのである.
ところで, '人間実が入ればあおむく' というのはどういうことなのか.
人といふものは実がいるとあふむく,菩薩はうつむくといふ事あり.
是まず天命自然と出でし日本の教育なり.人は只奢りに移り易きもの故に,
食に乏しからずして,腹に実が入ると, いろいろ菜好みして,
但我より人の旨い物くうをけなりがり(中略)
只上を見て,是よりして衣服よろづもあふむくのみ(仲人気質,5)
とあるのによれば, 食物が充分腹にはいると,もっとうまい物がほしくなる,という義であり,それから,少し不自由しなくなると,すぐ上向きに奢るようになるものだ,とう意だとしているようである.しかし, これは誤りである.
人間はちいがあがると自然尊大になるものだ, という意であろう. 'あおむく' というのは, えらそうに上のほうを向く意である. 地位があれば, 自身は得意になるし, 人にもそれを示したいのが人情である. しぜん,今までは人に対して丁寧に頭をさげていたのに,軽く会釈して済ませたり, 逆に上を向くということをしがちである. 人間のこういう弱点を指したのがこの諺である.
地位があがるにつれて尊大になれば, 地位のひくかったころのことを知っているものにとっては,不愉快なことであり, 反感も湧くであろう. 人に不愉快な感情を起こさせたり,反感を覚えさせることは,人徳のないことであり, 人から尊敬されることにはならない. たとい地位があっても,そのために尊大にかまえず, 謙虚な態度をとるならば, かえってゆかしくも思われ, 人に敬愛もされるのである.
この諺は,裏にそういうことを教えているのである."
無学歴・無資格 (Academic Outsider) の私は, "日本のことわざ"・ "続・日本のことわざ"を読むごとに,その著者である東京大学名誉教授の金子武雄氏の日本の諺に対する解釈・解説にあたまのさがる思いがします.
2025/09/10
実るほど頭の下がるたれ穂かな・・・
登録:
コメントの投稿 (Atom)
95歳まで自給用にコメつくり・・・
2013年4月1日日本基督教団の隠退牧師になり, 東北福島の妻の実家のある福島県郡山市湖南町赤津村に帰郷・帰農したました. 旧長州藩領地の山口県下松市で30年間棲息していた私は, 旧会津藩領地の郡山市でも30年間棲息するつもりで帰郷・帰農したのですが, すでに, 13...
-
猪苗代から戻ると、筆者と妻、すぐ着替えて農作業をはじめました。 妻は、段々畑の梅の木のある畑に作付けしたキュウリとインゲンの支柱のネット張り・・・。筆者は、棚田のひめのもちとはえぬきの田の草取り・・・。午後1:30~4:00、市販の農具を改造してつくった <水田熊手>型草取り器を...
-
1948年生まれ。出身地は、岡山県児島郡琴浦町、当時は、塩田と学生服の町でした。琴浦西小学校・琴浦中学校・岡山県立児島高校普通科出身。神学校は、鶴川学院農村伝道神学校。高校を卒業した後の職業は、大阪府職員、岡山県倉敷式の某医学研究所付属病院で臨床病理検査、さらにその後、専門商社に...
0 件のコメント:
コメントを投稿