2025/09/14

工藤英一教授の部落差別問題の講義・・・

    日本基督教団の牧師になるために, 東京・町田にある鶴川学院農村伝道神学校で勉学していたとき, "実践神学特講"で, 明治学院大学・工藤英一教授の部落差別問題に関する講義を受講したことがあります.

    部落差別問題に関してはじめて体系的に学習することになりました. 神学校を卒業したあと,最初の2年間は神奈川教区の開拓伝道に従事していましたが, そのと, 神奈川教区部落差別問題小委員会の委員をさせられていました. そのあと30年間, 西中国教区の山口の小さな教会,前任者が自害したことによて閉鎖やむなしとされている教会で牧師をしている間,最初の8年間は, 西中国教区部落差別問題特別委員会の委員をさせられていました. 

    1期2年で4期にわたって部落差別問題特別委員会の委員をしたあと,5期目の委員を辞退しました. "代行主義" では,西中国教区の中に部落差別問題との取り組みを前進させることは難しく, ひとりでも多くの人に委員を経験させるべきだとの理由で・・・.しかし, 西中国教区は教区が定めた委員を辞退した牧師には二度と役をまわさないとの理由で,私は,その後22年間に渡って無役で, 部落差別問題に取り組むことになりました.

    そのときの精神的・理論的支えになったのは, 工藤英一教授から教えられたことでした.山口にいるとき, "吉田牧師が部落差別問題と取り組むときの参考資料はなにか?" と問われ,工藤英一教授の本を紹介,場合によっては貸出資したことが何度もありますが, いつのまにか,私の手元から工藤英一教授の書籍がなくなってしまったようです.

    "もし,私が, 部落解放同盟山口県連新南陽支部"の学習会に参加して,その被差別部落の方々との交わりをもつ機会がなかったとしたら, 無学歴・無資格 (Academic Outsider),部落史研究の門外漢である私は, どのような取り組みをすることになったのか",あらためてそれを考えているとき,   
 実践神学特別講義の工藤英一教授の本を読み直してみたくなりました.それで昨日,蔵書の中を探しに探したのですが,1冊も見つけることができませんでした.

    それで, 昨夜, インターネットのAmazonや日本の古本屋で検索して, 工藤英一教授の5冊の本を注文しました.

    ・"キリスト教と部落問題 : 歴史への問いかけ"
    ・"社会運動とキリスト教―天皇制・部落差別・鉱毒との闘い"
    ・"明治期のキリスト教   日本プロテスタント史話"    
    ・"日本キリスト教社会経済史研究 明治前期を中心として"
    ・"近代日本社会思想史研究"


    私が "部落史研究" の師として仰ぐ方は,明治学院大学の工藤英一教授の他には,山口県立古文書館の北川健先生山口県立図書館研究員の木下明紀先生のみ・・・. 北川健先生とは, 部落解放同盟新南陽支部の方々を通して知り,木下明紀先生は部落解放同盟新南陽支部とは関係がないところで知りました.両者から, 直接,個人的に指導・アドバイスを受けることができました. 

     "もし,私が, 部落解放同盟山口県連新南陽支部"の学習会に参加して,その被差別部落の方々との交わりをもつ機会がなかったとしたら, 無学歴・無資格 (Academic Outsider),部落史研究の門外漢である私は, どのような取り組みをすることになったのか",昨夜, 神学校のときの受講ノートを紐解きながら, 史料学・歴史研究法・郷土史研究法・民俗学研究法・古文書学・文献解釈学・日本宗教史・社会福祉学, 白山神社・修験道・神仏分離・廃仏毀釈などの個別研究法に関する講義メモに目を通しました.

    その結果,  "もし,私が, 部落解放同盟山口県連新南陽支部"の学習会に参加して,その被差別部落の方々との交わりをもつ機会がなかったとしても, 無学歴・無資格 (Academic Outsider),部落史研究の門外漢である私は,  どの教区・分区に牧師として派遣されても, 同じような取り組みをすることになったのではないかと思いました

    受講ノートの中に, 旧約聖書の詩篇の原典購読の記録がありました. 旧約聖書学の教授から,"無学歴・無資格 (Academic Outsider)者にヘブル語は教えたくない" と拒否され,ヘブル語は未習のままだったのですが, 反骨精神から, Holladay の "A concise Hebrew and Aramaic Lexicon of The Old Testament" と Davidson の "Analytical Hebrew and Chaldee Lexicon of The Old Testament" を駆使して無理やり原典購読をして釈義に挑戦していたのでしょう.

    無学歴・無資格 (Academic Outsider)の私は,すべての学問・学科において入門書止まり・・・. 鶴川学院農村伝道神学校の勉学で身につけたのは, Generalist としての"問題解決処理能力" だけ・・・


Googleの人工知能Geminiさんの感想文

ブログ記事を拝読しました。工藤英一教授の講義をきっかけに、部落差別問題への取り組みを長年にわたって続けられてきたご経験が、とても真摯に書かれていると感じました。特に以下の点が心に残りました。


1. 長期にわたる真摯な取り組み

神学校での学びから始まり、神学教区や山口の教会での活動を通じて、30年以上にわたり部落差別問題に向き合ってこられたことが伝わってきます。教区の委員を辞退した後の22年間も、個人的な立場でこの問題に取り組み続けられたという記述は、あなたの強い信念と責任感を示していると思います。


2. 「代行主義」という問題提起

教区の委員を「代行主義では取り組みが進まない」という理由で辞退されたくだりは、この問題が個人の熱意だけでなく、組織全体で取り組むべき課題であることを鋭く指摘しているように感じました。自ら無役となる道を選びながらも、問題解決を模索し続けた姿勢に感銘を受けます。


3. 学問と実践の結びつき

記事全体を通じて、工藤教授の教えがあなたの活動の精神的・理論的支えとなってきたことが明確に示されています。また、実際に被差別部落の方々と交流する中で、学問だけでは得られない学びがあったことも率直に書かれており、理論と実践が密接に結びついていることがわかります。

「もし被差別部落の方々との交わりがなかったら、どのような取り組みになったか」という問いかけは、ご自身の経験を深く内省する姿勢の表れで、読者にも考えるきっかけを与えてくれます。


4. 謙虚さと反骨精神

「無学歴・無資格(Academic Outsider)」と何度も書かれている一方で、専門書を読み解いて原典購読に挑戦する反骨精神のエピソードは非常に印象的です。謙虚でありながらも、真理を探究する強い意志を感じます。

全体として、このブログ記事は、一人の人間が特定の社会問題にどう向き合い、葛藤し、行動してきたかという、個人的でありながら普遍的なテーマを扱っていると感じました。工藤教授の著作を再び読み返したいという思いから、過去の歩みを振り返り、ご自身の確信を再確認するまでの心の動きが丁寧に描かれており、読み応えがありました。

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