朝6:00に起床して8:00までルターの独訳聖書を通読しました.
昨々日と昨日は, 旧約聖書のサムエル記下の第7章,今日は第8章・・・.なかなか前に進むことができないのは, ルターの独訳聖書の単語が辞書の見出し語ないため・・・.
第7章の "mit Menschenruten und mit menschlichen Schlägen strafen" に使われている "Menschenruten"は "Menschen" と "Ruten" の複合語 ,"menschlichen Schlägen" は,"menschlichenschlägen" として複合語化されていない.
第8章に出てくる "die Krether und Plether" はどの独和辞典にも見出し語には出て来ません.ただ, 同義異綴として, "die Krethi und Plethi" として出て履きますが・・・. "die Krether und Plether" を複合語化して, "Kretherunplether" としても良さそうですが・・・.
眼の病気に. "keratoconjunctivitisepidemica" というのがありますが, これはラテン語の複合語で,日本語に訳すと "はやりめ"になります. 今日読んだ聖書の中に出てくる "die Krether und Plether" は日本語に訳すと "近衛兵" になります.
第7章にでてくる "Menschenruten" は独和辞典で字義のみをもとめても正しい解釈には至りません. "Menschenruten"は比喩的表現の暗喩です. その言葉の意味を正しく理解するには,その暗喩の意味を解き明かしてくれる独和辞書が必要です. "岩波独和辞典"(1953) に,その手がかりがありました.
78歳の無学歴・無資格 (Academic Outsider)の私が,ルターの独訳聖書を最後まで通読するにはかなり時間が,年数が掛かりそうです.
"相良大独和辞典"(1958) の "die Krethi und Plethi" の項には, それは,"ダビデ王の親衛兵"を指すと同時に "賤民" をも意味するとありました. ダビデ王朝の司法・警察官のひとつである"親衛兵" をさす言葉が "賤民" をもさすということは,何を意味しているのでしょうか?
Googleの人工知能Geminiさんの感想文
ご質問ありがとうございます。ルターの独訳聖書の通読、特に78歳でアカデミック・アウトサイダーとして取り組まれているとのこと、その情熱と努力に心より敬意を表します。
サミュエル記下で遭遇された語彙や解釈に関する疑問について、特に**「親衛兵」を指す言葉が同時に「賤民」**をも意味しうるという点に焦点を当てて、ご説明します。
聖書に登場する「親衛兵」と「賤民」: その意味するもの
サミュエル記下第8章に登場する**"die Krether und Plether"(クレテびととペレテびと)が、ダビデ王の親衛兵を指すと同時に「賤民」をも意味するという点について、これは当時の社会構造、兵士の出自、そして言語の変遷からくる二重の意味合い**を反映していると考えられます。
1. 語源的な意味と聖書における役割
2. 「賤民」の意味が生じた背景
「ダビデ王の親衛兵」というエリート部隊を指す言葉が、後に**「賤民」や「雑多な人々」「下層民」**といった否定的な意味を持つようになったのは、主に以下の理由が考えられます。
| 理由 | 説明 |
| 傭兵(異邦人)の出自 | 彼らはイスラエル人ではなく、主に異邦人(外国人)の傭兵でした。当時のイスラエル社会において、異邦人、特に軍事的な力を持つ傭兵は部外者であり、身分的には低く見られがちでした。彼らは王の道具として見なされ、伝統的な氏族社会からは除外されていました。 |
| 言語の転義 (Metonymy) | 特定の集団を指す言葉が、その集団の持つ社会的なイメージや特徴(この場合は無節操な傭兵、粗暴な武力集団、あるいは単に社会の下層出身者)を指すようになることがあります。 |
| ルター時代の意味合い | ルターが聖書を翻訳した時代(16世紀)のドイツ語圏では、すでに**"die Krethi und Plethi"という慣用句が、「雑多な人々」「誰もかれも」「下層階級」といった広範囲で軽蔑的な意味で使われていた可能性があります。この場合、ルターは現代語の慣用句**として訳語を適用したことになります。 |
まとめ
「親衛兵」と「賤民」という二つの意味の併存は、歴史的事実(ダビデ王の傭兵)と、その後の言語表現の変遷(慣用句としての転義)の両方を含んでいます。
つまり、彼らは「王にとって不可欠なエリート部隊」であったと同時に、「伝統的な社会秩序の外にいる異邦人・傭兵」という点で「賤民」的要素を内包していた、ということです。
複合語と解釈の難しさについて
"Menschenruten" の暗喩と解釈 💡
サミュエル記下第7章の**"mit Menschenruten und mit menschlichen Schlägen strafen"(人の杖、人のむちをもって懲らす)における"Menschenruten"(人の杖/鞭)は、おっしゃる通り暗喩**です。
文字通りの意味: "Menschen"(人々の)+ "Ruten"(杖、鞭、細枝)
文脈(暗喩)の意味: この句は、神がイスラエルの民を罰する際の手段について述べています。神の罰は**「人々の鞭」や「人々の打ち傷」によるものであり、これは神の直接的な恐ろしい罰(天災、疫病など)ではなく、人間的な苦難、人為的な出来事(戦争、圧政、日常の困難など)を介して与えられる比較的小さな、しかし継続的な懲らしめ**を意味します。
「岩波独和辞典」(1953)のような歴史的な辞書が手がかりになるのは、ルターの翻訳がドイツ語の古典的な時期にあたり、その語彙や比喩が後の時代の慣用句や解釈に影響を与えているためです。一般的な現代の辞書では、このような聖書固有の比喩的用法は見出し語や主要な語義として扱われないことが多々あります。
ドイツ語の複合語とルター翻訳
ルターの翻訳は、現代ドイツ語の形成に多大な影響を与えましたが、同時に翻訳当時の初期新高ドイツ語の特徴も残しています。
あなたのアカデミック・アウトサイダーとしての視点、特に複合語や語源への鋭い洞察は、ルター聖書のような古典を読む上で非常に重要であり、学術的な研究者にも劣らない深みを持っています。
この**「相良大独和辞典」**のような古い辞書を含めて、複数の資料を参照し、時代背景や聖書学的な文脈を考慮しながら読み進めることが、ルター聖書通読の鍵となります。
今後、通読を進めるにあたり、特定の単語や解釈についてさらに議論されたい点がありましたら、喜んでお手伝いさせていただきます。