今日の夕方,山口から電話がありました.
久しぶりに山口弁を耳にしました. 私が,日本基督教団西中国教区の山口の小さな教会の牧師をしていたときの教会員のご主人の方から・・・. 求道者に数えられていた方からですが, 毎日,テレビで,東北地方のクマ被害について報道されているとかで,心配して,電話をくださったようです.
・妻のふるさと・湖南の赤津村では,クマがいるのがあたりまえ
・クマと住民は顔見知りなので,クマは住民を襲ったりしなし, 住民もクマを攻撃したりしない.
・妻の実家は,小枝の森のはずれにあるが, 小枝の森のクマは冬眠しないと言われている.理由は,小枝の森にはクマの食べ物がたくさんあるので, クマは冬でも食べていける.
・クマは,人がいないときに出てくる.有線放送で11: 30の童謡が流されると, 農家はみんな昼食のために帰って行くので, その間に,クマは農道を通って移動する
・妻の実家の棚田の田でクマの姿を何度も見た事があるが, 妻と私の姿を見ると,クマはすぐ山に姿を消してしまう.
・クマがやってくるのは, ミツバチ・あしながばち・スズメバチの巣の蜜を求めて
.クマは,常夏川の河原を通って移動,その土手に獣道をつくって登ってくるので,妻の実家の田の近くにできた獣道をみつけると, その獣道はもう安全でなくなったことをクマに知らせる
・段々畑の山林との境には, クマの嫌いな紫蘇を植えているので,クマは近づかない
・顔見知りのクマは賢いので,"クマ侵入禁止" のサインを理解できる
・クマ・イノシシ・カモシカ・タヌキ・アナグマなどの野生動物は, 妻と私が与えたエサは食べない.彼らは,自分でみつけた自然のものだけを食べる
・妻の実家の山にはクマが冬眠するときの穴があるが, 野生の栗の実がなるころは絶対に山に入らない.
・山に入るときは, 小枝を拾ってそれで雑木や杉の木の幹をたたきならが歩くと,クマと出会わない.
・10数年,旧会津藩の山郷で棲息しているが, クマに危機感を覚えたことは一度もない. クマは人間と棲み分けができる野生動物.
・テレビで,クマのこどもが猟銃で駆除されている場面が報道されるが, 自分のこどもを殺された母クマは,人間を敵として復讐してくる可能性がある.クマのこどもの銃殺は,逆効果をもたらす可能性がある.
・田の草取りを断念したとき,草が茫々に生えると,クマ・イノシシ・カモシカは, 人間が田の稲を放棄したと思って,自分たちの餌場にする.ていねいに田の草をとっていると,野生動物は田の中に入ってこない.
・農村の過疎化・高齢化によって耕作放棄地を作ると,クマをはじめとする野生動物は, 自分たちの餌場としてそれを利用することになる. クマが,耕作放棄地に入ってこないようにするには, 耕作放棄地の草刈りをして手入れをすればよい・・・. 草刈りを怠ると, クマは徐々に里に,人間の居住地に近づいてくる.河原の草刈りも同じ・・・.
クマについて,いろいろな話をしました. 電話くださった方も,テレビのニュース番組で,"クマを駆除した"という言葉を耳にするたびにこころ痛む思いがすると話していました.
クマが人間に被害をもたらす前に,人間がクマに被害をもたらしていることがあるということについて,共通理解をもちました.
電話くださった方も,ご家族全員,この10数年,病医院にも通わず,健康で, 経済的にも,身体的にも,精神的にも安定した日々,老後を過ごしておられるようです. 妻と私は, 日々,そのご家族のために,無事であることを祈り続けています.
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