妻の故郷・湖南の赤津村では、プロの農家の方々は中干しのための溝切り作業をされています。
一輪車タイプの溝切り機に乗って、稲田の中を走っているプロの農家の姿があちらこちらにみえます。 中干しのために水はけをよくするための排水用の溝ですが、大型農業機械のハーベスタでイネを刈り取るために田の土を固める必要があります。 それと、大苗植えで増えすぎる分げつ数を抑えるために中干しが行われます。
一方、素人百姓の妻と私は、小苗植えで疎植で有機・無農薬栽培していますので、分げつをとめる作業は返って収穫減に繋がってしまいます。 イネが、自然に、のびのびと分げつできるように、田の水はいれっぱなしにします。 このような栽培法を常時湛水栽培といいます。 稲刈りの1週間前まで、妻の実家の棚田の田には水が入っています。 イネを刈り取るのは、Kubotaの湿田用1条刈りのバインダーですから、田の水を抜いて1週間もすれば、このバインダーを使って稲刈りをすることができます。
お米の栽培は、ひとつのシステムです。 どのシステムを採用するかは、その農家の<農哲学>如何にかかわっています。 農とはなにか、農の目的はなにか、その目的を達成するための方法はなにか、農人はいかにあるべきか・・・、農に関する哲学の違いによって、いくつもの異なる栽培法が採用されます。 妻と私は、有機・無農薬栽培をしていますが、<自然農法>の哲学と実践のための知識・技術はもちあわせていません。 有機・無農薬栽培をしていても、見た目は、従来型の大型農業機械・化学肥料・農薬除草剤を多用したプロの農家の田の風景に溶け込んでいます。 近くによって、田の中をのぞき込めば、田の生き物(いろいろな田の草やいろいろな昆虫、カエルなど)がいっぱいいるのに気付かされます。
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