2024/10/05

"部落差別の解消の推進に関する法律" を転載・・・


平成二十八年法律第百九号
部落差別の解消の推進に関する法律

(目的)
第一条この法律は、現在もなお部落差別が存在するとともに、情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じていることを踏まえ、全ての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり、部落差別は許されないものであるとの認識の下にこれを解消することが重要な課題であることに鑑み、部落差別の解消に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、相談体制の充実等について定めることにより、部落差別の解消を推進し、もって部落差別のない社会を実現することを目的とする。

(基本理念)
第二条部落差別の解消に関する施策は、全ての国民が等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、部落差別を解消する必要性に対する国民一人一人の理解を深めるよう努めることにより、部落差別のない社会を実現することを旨として、行われなければならない。

(国及び地方公共団体の責務)
第三条国は、前条の基本理念にのっとり、部落差別の解消に関する施策を講ずるとともに、地方公共団体が講ずる部落差別の解消に関する施策を推進するために必要な情報の提供指導及び助言を行う責務を有する。
2地方公共団体は、前条の基本理念にのっとり、部落差別の解消に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、国及び他の地方公共団体との連携を図りつつ、その地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする。

(相談体制の充実)
第四条国は、部落差別に関する相談に的確に応ずるための体制の充実を図るものとする。
2地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、その地域の実情に応じ、部落差別に関する相談に的確に応ずるための体制の充実を図るよう努めるものとする。

(教育及び啓発)
第五条国は、部落差別を解消するため、必要な教育及び啓発を行うものとする。
2地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、その地域の実情に応じ、部落差別を解消するため、必要な教育及び啓発を行うよう努めるものとする。

(部落差別の実態に係る調査)
第六条国は、部落差別の解消に関する施策の実施に資するため、地方公共団体の協力を得て、部落差別の実態に係る調査を行うものとする。

附 則
この法律は、公布の日から施行する。

    この法律には, 具体的なことはなにも書かれてはいない. "部落","差別","部落差別","部落差別の解消","部落差別を解消するため、必要な教育及び啓発",その言葉が何を意味するのか,法文上に一切の定義はありません

    つまり,この法律は,解釈自由で,政治的方向性の異なる運動団体・政治団体による恣意的運用の可能性をも内包している "欠陥法律"・・・. よく解釈して, 単なる "プログラム規定"でしかない・・・. 国も行政も,この法律は, 単なる "プログラム規定" で具体的な法的措置を明記したものではなく, 何らかの補償を約束するものでもないと逃げることも可能・・・. プログラム規定は,のちの国や行政が具体化すべきことがらであると,問題解決を先送りにすることも可能・・・.

    この法律は, 国や行政が, "部落差別を解消する必要性に対する国民一人一人の理解を深めるよう努める" ために制定された法律で,国や行政にとっては,"国民" は,"部落差別を解消する" 政策の非協力者・反対者であって,国や行政,小中高の学校教育,社会教育による啓蒙対象でしかないとの愚民論的認識を前提としているようです. 同和対策審議会答申のいう "国民一人一人の課題" という,国民の良心に訴える姿勢を放棄して,国民を被差別部落に対して差別的体質をもつとみなす存在として,国と行政による啓蒙対象にして,同和対策終了後の今日に至るも部落差別が現存するのはすべての国民に責任が有ると, その責任を国民に押し付け,国や行政が部落差別を作り出してきた責任を放棄,自己免罪をはかり, 部落差別問題の完全解消の取り組みから逃亡しようとしている姿が透けて見えてきますが, なにか戦前の法律に逆行しているような感じを受ける, "平成二十八年法律第百九号 部落差別の解消の推進に関する法律" です. こんな悪法がすんなり国会と通過するとは・・・!


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