2025/10/25

高齢者の遠隔記憶・・・

     "高齢者は昔のエピソード記憶(遠隔記憶)については長々と話す傾向がある.たとえば,古い旧友や名前や顔,かって住んでいた町の地理などはよく覚えている.この理由として, 第一にこれらの出来事が情緒的に大きな意味を持つ選りすぐれのものであること, 第二に過去に何回も検索し話しているうちに, あたかも意味記憶 (知識)のようになってしまった可能性がある.

    高齢者の自伝的記憶についての研究では, 自分にとって重要な記憶として, 人生初期の記憶がよく再生され, 次に比較的最近(老年期)の記憶,最も少ないのは中年期の記憶と報告されている. 老年期には, しばしば親しい親類や友人の死など, ネガティブな性質をもつ出来事が起こるために,記憶が鮮明になるものと思われる." (看護のための最新医学講座・老人の医療)


    私の中年期 33歳~65歳は, 日本基督教団の神奈川教区や西中国教区のちいさな教会の牧師をしているとき・・・. "最も少ないのは中年期" と指摘される上の説明と違って,人生のなかで,もっとも多くのことを記憶している時代です. 神奈川教区にいるときは, 部落差別問題小委員会の委員にされ, 西中国教区にいるときは, 部落差別問題特別委員会の委員にされ, 部落差別問題と取り組むことを "強制" されました. その取り組みの結果は, ブログ "部落学序説"や, その舞台裏を書いた "田舎牧師の日記" に書き込んでいますので, "最も少ない中年期" の記憶は, 私の人生の季節のなかで最も多い・・・.    

    日本基督教団の隠退牧師になってからは, 東北福島の妻の実家のある湖南に帰郷・帰農して有機・無農薬でコメと野菜を自給用に栽培していますので, "ワーキングメモリ(作動記憶)の低下" からも守られています.

    "高齢者は特定の情報をどこから入手したか覚えていないことが多い" そうですが, 私が老後を生きるための得ることになる情報は, すべからく4000冊の蔵書と9台のCASIOの電子辞書から・・・. 

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