2025/03/26

棚田の田全体が電気柵で囲まれる純然たる農村的地域社会・・・

    妻の実家の棚田の田に設置している電気柵は, 援農ショップ・グラントマトで購入した乾電池式電気柵4セットのうちの2セット・・・. あとの2セットは段々畑に設置します. この乾電池式電気柵は, 素人の園芸家向けの電気柵で, 有効な電線の長さは1台につき400m・・・. イノシシ対策のための電気柵は電線を上下2段にはりますので,1台につき200m,電気柵の電線を走らせることになります.

    昨々年までは, 田と田の稲をイノシシ被害から守るために,専業農家・プロの農家を対象に行政から電気柵が無償供与されていました. 妻と私は, "農家" ではなく "百姓" (素人の園芸家) なので, その無償供与の対象外でした. しかし, 昨年は, 行政の方針転換で,妻の実家の田のある棚田全体が電気柵で囲まれることになり,妻の実家の田を取り囲むことができる電気柵の電線と支柱が配給されました. 本体は専業農家の方が管理しますので, 棚田の田に張り巡らせrた電気柵に電気が流れるのは,雪がすっかり消えてしまったあとになります.

    妻の実家の田は, 棚田全体を囲む電気柵の電線に電気が流れる前に,イノシシがやってきますので,これまで使っていた
素人の園芸家向けの電気柵はなくてならない害獣対策ツールになります. 晩秋,雪が積もって根雪になってから電気柵の電線と支柱を撤去,早春, 雪が解けて畔の黒い土が見える前に電気柵の支柱を立て電線に電流を流します.最初, イノシシ被害にあったときは, コシヒカリの田の50%をイノシシとニホンカモシカに荒らされて, 収穫量が半減したことがあります. 

    イノシシ対策は, イノシシ被害が発生する前に電気柵を設置してイノシシによる田の侵入を防ぐ "先手必勝" が大切です. イノシシによる被害が発生してからその対策を考えるようでは, "後手必敗"・・・.

    最初イノシシ被害にあった年は,朝3:00~6:00まで, 棚田の田に行って,頭にサーチライトをつけ (点灯しませんが, いざというときのために), 両手に懐中電灯2本を持ち,暗闇を照らしながら,田の土手を歩いて,イノシシのなき声が聞こえると,穴の空いた真鍮の鍋と金槌で大きな音をたてながら, イノシシを追いかけました. イノシシは,  ブヒー,ブヒーと大きな声でなきながら農道に出て去って行きました.片手に懐中電灯を1本持っているだけですと, イノシシは怖がりません.しかし, 両手に2本懐中電灯を離して持っていると,闇夜の中に巨大な怪物の目が2つ光っているように見えるのでしょう. イノシシは大きな声でなきながら逃げ出します.

    星が降リ注いでくるような空の下, いくつもの流れ星が現れては消えていくなか, 山側の雑木林の中から,カモシカのなき声が聞こえて来ました. "私を追い出さないで・・・!" となにか懇願しているような悲しくて淋しいなき声・・・.  妻と私の自給用のコシヒカリだけ, 透明のテグスで囲んで,その他は,カモシカに提供してやりました.

    そのとき以来,カモシカが, 妻の実家の棚田の田にやってきて稲を荒らすことはなかったのですが, 専業農家の方の話しでは, 最近, イノシシによる被害だけでなくカモシカによるイネの被害もではじめているのだとか・・・. それで, 昨年配給された電気柵の支柱と電線は, 現在の2段から4段にして,カモシカも入れないようにするために使用することにしました. 

    乾電池式にしたのは, 天候と日照時間に左右されないため・・・. イノシシは, 雨上がりの朝にやってきて田の土や畔を荒らします.雨上がりの朝には, 田の土の中のミミズが呼吸するために土の表面に頭を出してくるので,それを食べにイノシシがやってきます. 東日本大震災のときの原発事故による放射能汚染, 栽培している稲が放射性セシウムを吸収しないように塩化カリウムが田畑に大量に散布されました. 塩化カリウムというのは,いわゆる "塩"・・・. そのため,田の土の中のミミズも "塩" を体内に取り入れることになり, イノシシの大好物である "塩味のきいたミミズ" を大量に増殖させることになりました. そして, 原発事故のあと,農村・山村で, イノシシが異常繁殖して田畑に被害をもたらすことになりました.

    妻の実家の田は,ドイツ製のガイガーカウンタで土・水・米・野菜・雑草などの放射能汚染度を測定,妻の実家の棚田の田の地理的条件を考慮しながら,身の丈ほどの除染活動を自主的に, 自己責任でしていましたので, 塩化カリウムは散布しませんでした. イノシシは, 化学肥料・農薬・除草剤が大量に散布された田のミミズより, 有機無農薬で栽培している田のミミズの方が好きなのでしょう. 雪が消えて春がきたとき, イノシシが一目散に, 妻の実家の棚田の田にやってきます.
  最初に1頭が偵察にやってきたとき, "NO" をつきつけないと,そのあと7~8頭の家族連れでやってきます.

    イノシシが, 妻の実家の田を素通りしたとき, イノシシが次にやっていく場所は, 専業農家の減農薬栽培している田・・・. イノシシが見向きもしない田は,農薬・除草剤が大量にまかれて微生物が死んだ田・・・. イノシシ被害は,  有機・無農薬栽培,減農薬栽培している農家や百姓のための "勲章" のようなもの・・・.
   

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