2023/02/25

教会学校のこどもたちを思い出す・・・

今朝、食事をしながら、妻が、日本基督教団西中国教区の山口のちいさな教会の牧師をしていたとき、教会学校に来ていたこどもたちの思い出話をしていました。

Aさん、Bさん、Cさん、3人の女の子、小学生から中学生の間、教会学校に来ていましたが、中学生になったころからは、教会学校は、無償の塾になり、3人共一緒に山口県立下松高校に入りたいというので、筆者が高校受験指導をしていました。3人のおとうさんは、同じ会社に勤めていたのですが、倒産・・・。それで、筆者、3人の教会学校生徒に、それぞれの能力のうじた受験指導をしたのですが、3人とも、上位の成績で、志望校に入学することができました。

教会の、被差別部落出身者とその関係者の教会員が、伝道と牧会のさまたげをしなければ、教会学校のこどもたちはやがて、教会を支える力になったのでしょうが・・・。

その塾機能をもった教会学校も、やがて頓挫させられることになりました。その教会員の中学3年生の息子さんの1学期の中間テストでいい成績がとれるよう指導をしてほしいというので、中間テストの前日にみたのですが、成績はあがらなかったとかで、その教会員は立腹していました。そして、地域の人々に、<あの教会の牧師に教えてもらっても成績はあがらない>と逆宣伝をはじめたのでした。教会員のご主人で、塾を経営している方が、<このあたりの塾の経営者は、生徒から中間テスト・学期末テスト・学年末テストの試験問題を提出させ、長年に渡って、どの先生のどのテストにどのような問題が提出されるか情報を持っていて、テストの直前に塾に通っただけでも成績を上げることができる・・・>と話をしていました。

教会学校のこどもたちの勉強を見ることをやめましたが、あるとき、被差別部落出身の教会員の、勤務している会社の上司の息子さんの勉強を見てほしいと頼まれ、そのおかあさんと息子さんにあって話をお聞きすることにしました。本人は、山口県立徳山商業高校を志望校にしているようですが、その担任から、<今の成績では不可能です>と言われているとか・・・。そのD君に、<とりあえず、なにがしたいの?>と尋ねますと、<いままで100点とったことがないから、100点とってみたい>というので、<どの科目なら100点取れると思うの?>と更に問いかけますと、<社会科です>といいます。それで、筆者、<わかった。中間テストまで1週間あるから、毎日、通ってきなさい>といいますと、<はい>といいます。本人がいい成績をとりたいという思いを持っているので、筆者、D君を教えることにしました。その結果、いつも50〜60点しかとれないD君が90点を取りました。そのとき、おかあさんは、担任の教師に呼出されて、こう言われたそうです。<急に成績がよくなったので、カンニングでもしているのではと思って、周りの生徒の成績と比べてみたのですが、D君の成績が一番よかったので、なにがあったのか、お聞きしたいと思って・・・>。おかあさんは、<知人に教えてもらっています>と答えたそうです。

そして、次の1学期末テストで、<社会のほかに、なにの科目の成績をあげたい?>とD君に尋ねると、<数学・・・>というので、数学を指導することになりましたが、指導をはじめてすぐ、小数点、分数の計算問題が解けないこと、方程式を用いる応用問題がとけないことが分かりました。それで、小学3年生の算数の問題から勉強のし直し・・・。指導をはじめてすぐ、D君の算数力・数学力に疑問を抱いた筆者は、D君のために問題をつくり、解かせてみました。そして、D君に尋ねてみたのです。<君、お金の問題と食べ物の問題は間違わないのね。でも、距離と時間の問題は、やさしいのに間違う。なんでなの?>と尋ねると、D君、<お金と食べ物の問題は、間違うと損をするから・・・>といいます。それで、<D君が、親から1000円お小遣いをもらって、兄弟3人で分けると、1人分は何円になるの?>と尋ねますと、D君は即答・・・。筆者、<どうやって計算したの?>と尋ねると、D君流の計算方法を話してくれました。それで、筆者、<その計算方法、間違っていない。時はカネなりということわざがあるの知ってるだろう?距離と時間の問題も、お金と食べ物の問題だと思って計算したらいいのでは・・・?>とすすめると、D君、損をしない計算方法を使って、1学期末のテストの日までに中学2年の数学の問題が解けるようになりました。そして、D君は、1学期末テストで、100点はとれなかったものの85点を取ることができました。そのとき、おかあさんは、またまた担任に呼び出さて、いろいろ聞かれたようです。小数点や分数の計算ができないD君がなぜ、突然と計算できるようになったのか、なぜ、方程式をたてて文章問題がとけるようになったのか、どの塾の、どの教師に教えてもらっているのか・・・。おかあさんは、<実は、日本基督教団の牧師さんに個別指導してもらってるんです。社会と数学でいい成績がとれるようになったので、息子は今度は国語の成績を伸ばすといっています・・・>。すると、担任の先生、<高校入試まで、その牧師さんにずっと教えてもらってください。そうしたら、間違いなく、志望校に入ることができます>といわれたそうです。

山口県立高校合格は不可能といわれていたD君、努力と念願かなって、山口県立徳山商業高校に合格することができました。D君とおかあさんのうれしそうな顔、いまだに忘れることができません。今では、おとうさんのあとをついで、会社の社長・・・。努力してつかんだ高校合格は、D君の一生のたから・・・。


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