雑誌『部落問題研究』創刊号の<創刊の言葉>です。
<光りは、どこから、どこにさしてきているのか。
部落の民は、曾て、部落の民であるために指さされ、蔑まれ、嘲笑されてきた。
部落の民は、今日、部落の民であることを楯に、無知と野ばんをひけらかしていることをなしとしない。
部落解放運動の幾曲がり――部落の民は、いまだに解放せられていない。
・・・中略・・・(差別表現を含むので)
すべてのくらがりを自然科学が、その輝きで照明しつくすとき、社会科学の眼は、その叡智を以て、社会関係の織り出す一切の秘密を、人間の前にあばき出す>。
<光りは、どこから、どこにさしてきているのか。>
部落解放のための<ひかり>は、<どこから、どこにさしてきているのか>・・・。その光は、<部落の民>の外からやってくるものだというのだろうか・・・? <部落の民>には、自らを照らす<内なる光>はないというのだろうか・・・? <部落の民>は、<部落の民>を<非文明の囚人>(差別語)とラベリングしておとしめ、<文明の看守>であると自負する社会科学の学者・研究者・教育者によって啓蒙されなければならない存在なのであろうか・・・? <部落の民>に関する<社会関係の織り出す一切の秘密を、人間の前にあばき出す>いとなみを、社会科学の学者・研究者・教育者の<叡智>だというのだろうか・・・?
雑誌『部落問題研究』創刊号の<創刊の言葉>は、最初からボタンのかけ間違いを犯しているのではないだろうか・・・? 昭和24年2月20日の、はるか昔の、むかしの話し・・・。
その巻末の、ある同和教育担当者の言葉・・・。
<私は自分で播いた種子を、自分で刈り取らねばならぬのは当然と思うが、然し私のみがその責を負ふべきであらうか>。部落差別を解消し得なかったことに対する罪だけは、連綿として、社会科学の学者・研究者・教育者によって、今日まで受け継がれている。
2023/02/18
光りは、どこから、どこにさしてきているのか・・・
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