2024/06/20

"講座差別と人権" 全7冊を揃える・・・

    磯村英一・一番ケ瀬康子・原田伴彦編 "講座差別と人権" 全7冊をそろえることにしました. 

    第1巻 部落:Ⅰ
    第2巻 部落:Ⅱ
    第3巻 女性
    第4巻 民族
    第5巻 心身障害者
    第6巻 底辺社会
    第7巻 高齢者

    以前, どれも読んだことがある本ですが, "講座差別と人権" から何を学んだのか, 自己検証するために, 再読することにしました. 法哲学者ラートブルフの法的相対主義に強い影響を受けている, 無学歴・無資格 (Academic Outsider) の私は, 日本基督教団西中国教区の山口の小さな教会に赴任したとき, 教区総会で, 西中国教区部落差別問題特別委員会設置の建議案が出されました. 社会館の館長をしている牧師が提出したのですが, そのセコンドについたのが, 私が赴任した教会の信徒議員でした. 彼女は, "教会はもっと部落問題と取り組まなければならない" と賛同したのですが, そのとき, 西中国教区の執行部から, "今の信徒議員の発言は差別発言である. 西中国教区は, 永年に渡って部落差別問題と取り組んできた. その結果, 西中国教区の牧師・信徒は, 問題は部落ではなく部落差別にあるとの認識から, 部落に問題があるかのような印象をあたえる '部落問題' ではなく, 部落を差別する側に問題があるとの意を込めて '部落差別問題' と呼ぶことにしている. それなのに, 今の信徒議員は, '部落問題' という言葉を使う. その教会の牧師は, 信徒にどのような教育をしているのか!" と激怒 (糾弾?) に近い指摘をしました. その結果, 私は, あらたに設置された西中国教区部落差別問題特別委員会の委員を押し付けられ, 永年部落差別問題に取り組んできた牧師・信徒からその手ほどきを受けることになりました

    私は, 後で, 教会役員で信徒議員の彼女が, 部落解放同盟山口県連徳山支部の支部長の姪であることを知りました. 彼女のつれあいも, 教会員でしたが, 山口県熊毛郡で, 彼も部落解放同盟山口県連の支部を結成する準備をしている最中でした. 西中国教区の執行部は, 彼女の "教会はもっと部落問題にとりくまなければならない" という発言を差別発言として一刀両断に切り捨て, 牧師である私に, 部落差別問題に取り組むことを強要してきたのです. 

    私は, 部落差別だけでなく, "差別" そのものと格闘することになりました. 私にとって, 部落問題・部落差別問題は, 絶対的なものではなく, 相対的なものです. 部落差別も, 数多くある差別の一つに過ぎません. その "部落差別問題" に30年間, 牧師としてかかわり続けたのは, 部落差別を相対的に考えることができる, 部落解放同盟新南陽支部の学習会に参加していた被差別部落出身の方々との出会い, 山口県の部落解放運動のない未指定地区の古老からの聞き取り, 同和教育担当教師や大学の教授, 近世において "穢寺" と言われていた真宗の僧侶の方々との対話・・・があったためです. 

    磯村英一・一番ケ瀬康子・原田伴彦編 "講座差別と人権" は, 部落差別問題特別委員会の委員をしていたころ, 通読したことのある本です. 私の蔵書の中には, 磯村英一, 一番ケ瀬康子,原田伴彦の著作, 部落差別・女性差別・民族差別・障害者差別・底辺社会の人々に対する差別・高齢者差別に関する本も少なくありません. その他に, 学歴差別・職業差別・身分差別・人種差別に関する本も・・・. 私の取り組みは, 聖書信仰にもとづく反・差別主義に他なりません. 

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