矢野久美子著『ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者』の中に、アーレントがヤスパースを見るときの視線が記されていました。
<ヤスパースという人にあっては、この理性が実践されていたのです。そして、私には父がいませんでしたから、そうした理性を見ることによって、いわば育てられたといってもよいかと思います。もちろん、ヤスパースにいまの自分のありようの責任をとらせようなど、そんなめっそうもないことは思っておりませんが、私を理性へと導いた人間がいるとすれば、それはヤスパースをおいて他にはありません>。
ハンナ・アーレントはヤスパースに<父親>を見ていたのかもしれません。ヤスパースは、ハンナ・アーレントを<教え子>としてだけでなく<娘>を見ていたのかもしれません。実の娘は、<こんなわたしに誰がした!>と父親にくってかかるのかもしれませんが、ハンナ・アーレントはヤスパースに<父親>を見ていたとしても、<。もちろん、ヤスパースにいまの自分のありようの責任をとらせようなど、そんなめっそうもないことは思っておりません>と一線を画している・・・。
『アーレント=ヤスパース往復書簡』は、1926~1969年に書かれたもの。アーレント20~63歳・・・。ヤスパース43~86歳・・・。
2022/04/26
アーレントの見るヤスパース・・・
登録:
コメントの投稿 (Atom)
あたたかくなった台所・・・
この前, 会津坂下のホームセンター・コメリで, クリナップ製のコメリ仕様の流し台とコンロ台を購入して, 穴の空いた流し台と入れ替えましたが, そのとき, 長年の水漏れで床板が腐って欠落しているのに気づき,手持ちの材料の中で, 床板として転用できそうな断熱材を張り詰めて, ...
-
猪苗代から戻ると、筆者と妻、すぐ着替えて農作業をはじめました。 妻は、段々畑の梅の木のある畑に作付けしたキュウリとインゲンの支柱のネット張り・・・。筆者は、棚田のひめのもちとはえぬきの田の草取り・・・。午後1:30~4:00、市販の農具を改造してつくった <水田熊手>型草取り器を...
-
今朝、読んだ『英訳聖書』(NSRV)のことば・・・。 I have also seen this example of wisdom under the sun, and it seemed great to me. There was a little city with fe...
0 件のコメント:
コメントを投稿