2022/03/01

『田舎牧師の日記』(2011/05/22)掲載分の再掲

 礼拝堂の大輪の芍薬の花を活ける・・・(05/22/2011 12:14:45)

<今日の主日礼拝・・・

礼拝堂に、教会の庭に妻が咲かせた花を活けました。白色の、大輪の芍薬とバラ・・・。それだけでも十分見応えがあるのですが、添えに、今教会の庭に咲いている色とりどりの小花を用いました。

今日の説教のテキストは、日本基督教団の教会暦から、旧約聖書申命記第7章6~11節。今日の聖書日課・・・、<あなたはあなたの神、主の聖なる民である>ということばではじまります。

今回の東日本大震災・・・、地震・津波・原発事故によって被災した日本基督教団の教会・牧師・信徒も少なくありません。

今日の筆者の説教は、そういう方々を念頭におきながらの説教・・・。

申命記は、<イスラエル>の民が、<主の民>とされたのは、<イスラエル>の民が<主の民>にふさわしい資格や要件をもっていたからではなく、神の一方的な選びにあると語ります。よろずの民の中でもっとも小さき民・・・。しかし、主なる神はあえて、この民を<主の民>とされた。

今回の東北大震災による苦難と試練・・・、置かれた現実からだけ判断しますと、そこには絶望と失意しかないのかもしれません。地震による被害、津波による被害、原発事故による放射能汚染による被害・・・、その現実に目を向けると、牧師も信徒も語るべき言葉を失ってしまいます。しかし、そのような私たちに主なる神は、あえて、<あなたはあなたの神、主の聖なる民である>と宣言したもうのです。地震による被災のただ中にあって、津波の被災のただ中にあって、原発事故による放射能汚染のただ中にあって・・・、主は、キリスト者をあえて<主の聖なる民>と呼びたもうのです。私たちキリスト者は、置かれた現実に立脚しつつ、その現実に拘束され続けることなく、私たちをあえて<主の聖なる民>と呼ばれる神の<宣言>に立脚して生きるのです。私たちの人生の基準は<現実>ではなく、神の<宣言>にあるのです。主なる神は、東日本大震災の地震・津波・放射能汚染被害にあった私たちをも<主の聖なる民>とお呼びになるのですから、私たちは、それにふさわしい生き方をまっとうしていかなければなりません・・・。

筆者の説教・・・、無学歴・無資格の牧師による、日本基督教団の牧師のなかの最低のへぼ説教・やぶれ説教・つぶれ説教として評価されてひさしく時がたちますが、筆者にとって、聖書のことばは、悲惨な<現実>を穿って切り崩していくための槌と鑿にたとえることができます。

筆者、基本的には、楽観主義ですから、東京電力原子力発電所の原発事故によって飛散した放射性物質による汚染とも戦って勝利することをよしとします。

日本基督教団の牧師になるために農村伝道神学校で勉学していたとき、筆者を受け入れて下さったのは日本基督教団阿佐ヶ谷東教会・・・。ある時、その集会で、核戦争と原発事故のことが話題になったことがあります。そのとき、当時の牧師、神学生の筆者に、<君も核戦争や原発事故が起きたら被災から免れるために逃げるだろう。場合によっては、国をも捨てるだろう・・・>と問いかけてきたことがありますが、筆者、<いいえ、私は逃げません。愛するひとがいる国を守るのは国民の義務ですから・・・>と答えたことがあります。そのとき、阿佐ヶ谷東教会の長老の方が、<君、牧師の前であんな発言していいの? あとで大変なことになるよ>と忠告してくださったことがあります。その長老の方、続けてこんな話を・・・。<君、ほんとうに知らなかったの? あの牧師、戦争中の脱走兵だったんですよ。あの牧師・・・、君の話を自分に対する全面否定のことばとして受け止めたに違いないと思いますよ。君の将来、これから大変なことになると思うよ・・・>。

筆者、典型的な<人間音痴>・・・。ひとに処する方法を知らない・・・。今日、礼拝堂に活けた花・・・、人間のことを思って咲いているわけではない。神さまからあたえられたいのちをただ感謝して生きているだけ・・・。筆者、これからも野の草花と同じような生き方しかできそうにありません。

しかし、筆者、主なる神さまがともにいてくださるなら、おそれるものはなにもありません>。 祖国ウクライナとその国民、愛する人々をまもるために、侵略者ロシアと戦っているウクライナの統治者、兵士、国民の方々の上に、万軍の主である神さまのご加護と、ロシアの軍事的脅威からの解放と平和が与えらえるように祈ります。


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