2022/03/09

絶対的正義の主張を否定する法的相対主義・・・

ヤスパース著『哲学』(全3巻)の言葉・・・。

<正しい法を普遍妥当的に知りうるものとして承認せしめるということは、なお依然として無駄である。・・・正しい法は単なる理念にとどまる。それは対象的に規定的に知られないばかりでなく、その実現ということも不可能である。

それゆえ公正な法の実現に向かう情熱は、容易につぎのごとき道をとる。それはたとえば、革命において暴力行使が世界から暴力を抹殺するという目的によって是認される、というような道である。しかし人間的集団の現実への不可避な順応において、一つの新しい実証的秩序がもたらされ、そしてこの秩序は再び暴力によって維持される。換言すると、はじめにあった現存在的形式が、最後に別の支配者と別の内容とを伴って、現れるに過ぎない。

・・・人間の共同生活の究極決定的な安静状態などというものは、経験的に現存もしないし、可能性として構成されもしないし。実現すべき理想として直観的に描き出すこともできない。・・・私が生きようと思えば、私は或る暴力行使の受益者であらねばらなないし、また自らいつか暴力を蒙らなければならない。またひとを援助し、ひとから援助されねばならず、従って人に感謝しなければならない。

・・・客観的な解決などというものは永久にあるわけではなく、あるものは、その都度の解決だけである。・・・世界を全体としてその根底から別のものにしようと欲することができるわけでなく、むしろ世界のうちで私の根源からそれを実現できるだけである。ただ相対的に、特殊的にしか法を根拠づけるほかはない・・・>。

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