『アーレント=ヤスパース往復書簡』(全3巻)の通読をはじめていますが、ヤスパースとアーレントの関係は、師と弟子、教授と学生、哲学者と哲学者の関係・・・。そのやりとりを追っていますと、筆者、心が落ち着いてきます。ふたりの哲学者の手紙のやりとり、つまり文通から、いろいろなことを学ばせてもらっています。筆者、74歳にして・・・。古書といえど、1冊15,000円の高価な本ですが、筆者は、ピンク・オレンジ・レモンイエロー・グリーン・ブルーの5色のマーカーで線引していますので、あとで、5色を手がかりに再読・検索が可能になります。
<英語を読むのはいくらか骨が折れ、ときどき辞書を引かなくてはなりません。話すほうはまるっきりだめ、しかし読むのは好きです>。
ヤスパースは、その自伝『運命と意志』のなかで、ユダヤ人の妻ゲルトルート共々ナチスによってガス室に送られる危険が差し迫っていくなか、外国に避難することを考えますが、ヤスパースは<二つの障害>のゆえにそれを断念せざるを得なかったといいます。その<二つの障害>とは、ヤスパースの<病気と言葉という問題>・・。、ヤスパースは、<極端な不正を甘受>しなければならなかったとしても、ドイツ<国内で死ぬ>ことを選択、ユダヤ人の妻と離婚しないで、ユダヤ人の妻・ゲルトルートと運命を共にする決断をします。
ヤスパースは、気管支が弱く、いつもマスクをつけていたようです。ほこりやよどんだ空気が直接気管支に入らないように・・・。マスクをつける習慣のないドイツで、外出するときはいつもマスクを付けなければならないヤスパースは、ドイツから外国に避難するのは目立ちすぎることになるのが、英語を話すことができないという障害とペアをなす、もうひとつの障害・・・。
筆者、哲学者・ヤスパースだけでなく、哲学者・アーレントにも、共感をおぼえはじめました。
2022/08/28
『アーレント=ヤスパース往復書簡』を読んでいると心が落ち着く・・・
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