昨夜、ヤスパースの『哲学』(全3巻)を読んでいました。
昨夜、読んだ箇所には、筆者が差別思想であると断定する<賎民史観>のようなものが、大手を振ってまかり通ることになる世界のメカニズムが記述されていました。
哲学者アミエルの日記には、哲学者アミエルが哲学したことの結果の記録がつづられています。哲学者としての人生の日々の葛藤が・・・。それに比べますと、ヤスパースの『哲学』はは、哲学者ヤスパースが、いろいろな哲学的考察をした、その考察の過程が克明に記されています。つまり、ヤスパースの『哲学』を読むと、ヤスパースの哲学的考察のあとを読者が自分で哲学しながらたどることができるようになります。
だから、安心して、ヤスパースの『哲学』を読むことができるのでしょうね。これが、哲学者ではなく思想家の書いた文章の場合、論敵の論理を否定するだけでなく、その著作を否定、焚書坑儒に走り、ついには、論敵そのものを抹殺することになるのでしょうが、ヤスパースは読者に<哲学>することは教えても<思想家>になることは教えない。<思想家>になることは、<哲学>することを自ら放棄するに等しいですから・・・。
2021/11/19
差別思想<賎民史観>が大手を振ってまかり通るメカニズム・・・
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