ヴィトゲンシュタインの『反哲学的断章』の一節・・・。
<過度に要求するな。そして、きみの正当な要求が水泡に帰することを、恐れるな。>
<学者・科学者がとる態度というのは、奇妙きわまりない。――「それままだわたしたちにはわかりません。だが、それはわかるはずです。要するに時間の問題なのです。いずれそれがわかるようになるでしょう」というわけだ。まるでそれが自明のことであるかのように!――>
<難問を深くつかまえるということは、むずかしい。というのも、浅くつかまえただけだと、難問はまさしく難問のままにとどまるからである。難問は、根から引きぬかれなければならない。ということはつまり、新しいやり方でその問題を考えはじめなければならない。その変化は、たとえば錬金術の思考から化学の思考への変化のように、決定的な変化である。――固定するのが極めてむずかしいもの、それは、新しい思考方法である。新しい思考方法が固定されたら、古い問題は姿を消す。じっさいそうなると、古い問題をふたたびつかまえることは、むずかしくなる。というのも、古い問題は表現の仕方の問題なのだから。表現の仕方の装いが新しくなれば、古い問題古い衣装とともども脱ぎ捨てられるのだから>。
2021/11/15
正当な要求が水泡に帰することを、おそれるな・・・
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