2022/09/08

書斎は私設図書館・・・

今日の午後、筆者の書斎の蔵書を用いて、<けがれ>について調べていました。

日本基督教団西中国教区の山口のちいさな教会の牧師をいていたとき、教会がちいさく、経済的には清貧生活を余儀なくされていましたので、本は、月1冊やっと購入できる程度・・・。岩波『日本近代思想大系』を予約購入しますと、2年間は、それ以外の本は購入できない状態に陥りました。それで、筆者、調べものがあるときは、隣市の徳山市立中央図書館郷土資料室で閲覧、調べるのが常でした。2013年、日本基督教団の隠退牧師になり、妻のふるさと湖南に帰郷・帰農しますと、簡単に図書館通いをすることができなくなり、最低限、筆者の書斎で調べることができる環境つくりをすることにしました。それから10年・・・、筆者の書斎もやっと書斎らしくなり、<私設図書館>の役割を持つことができるようになりました。

今日、それを確認するために、<けがれ>の起源について調べ始めました。『万葉集』のいろいろな事典・辞典で、<けがれ>を検索してみましたが、見出し語にはありませんでした。それならばと、『古事記』(原文)で<けがれ>を検索してみましたが、最初に出てくる<けがれ>は<穢れ>で、この世のことがらではなく死後の世界のことがら・・・。『万葉集』は、生きることをうたった歌なので、死後のことについて歌うことはなかったのでしょう。その後、次第に<けがれ>が多様な意味を持つようになり、宗教的・倫理的・法的に逸脱した状態を指すようになりますが、神道においては、その<けがれ>は<みそぎ>などの<祓い>によって取り除くことができ、生まれてから死ぬまで一生、あるいは何代にもわたって継承されるような<けがれ>、<みそぎ>などの<祓い>でもとりのぞくことができない<けがれ>は存在しなかったようです。

神道の世界では、<部落差別>は発生しないし、継承されることもない・・・。<けがれ>ても<みそぎ>などの<祓い>をすれば、<けがれ>は洗い清められるのですから・・・。その日本人固有の<けがれ>を、時空を超えて、人間の生に影響を与える、悪しき差別的な力に変えたのは、日本に外来宗教として入ってきた仏教なのでしょう。

ということで、筆者の書斎、蔵書数3,000冊にすぎませんが、調べごとができる、小さな、ちいさな図書館になったようです。

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