2023/12/31

英語で論文を書けるのは ”反・部落差別” に関する論文だけ・・・

    日本基督教団の隠退牧師である, 無学歴・無資格 (Academic Outsider) の私が, 英語で論文を書くことができるテーマは, ”反・部落差別” に関する論文だけ・・・

    神学論文を書くことは, 持っている蔵書, 集めた史資料だけでは不十分です. 30年間, 地方の小さな教会で, 清貧暮らし (貧乏暮らし) をしていた私は, 欧米の神学書や日本の高価な翻訳書を入手することはほとんど不可能でした. 

    しかし, 神奈川教区の部落差別問題特別委員会で2年, 西中国教区の部落差別問題特別委員会で8年, 教区総会の要請で, 部落差別問題と取り組んできた私は, 西中国教区の山口の地で, 未指定地区の被差別部落の古老や, 部落解放同盟新南陽支部の学習会に参加していた老若男女の方々と出会い, 被差別部落の人々の差別に抗して生きている姿を目の当たりにしました. そして, 部落解放同盟新南陽支部の支部長さんに依頼されて, 山口の被差別部落とその被差別部落の歴史を調べることになりました. 協力してくださったのは, 部落解放同盟新南陽支部の書記長や青年部長さんたちでした. 彼らから, 部落史・部落差別問題に関する史資料の提供を受けるとともに, 徳山市立中央図書館の郷土史室・山口県立図書館の史資料で調査・研究をすることができました. その他、山口県立高校の教師たちの ”読書会” に参加して同和教育に関する学習の機会を与えられたり, 山口大学で開催された日本社会学会の差別問題部会の陪席を許されたり, 西日本新聞・中国新聞・朝日新聞の部落問題関連記事を書いていた記者の方との情報交換, 山口同宗連や山口県同教の集会に参加したり講師をしたり, 部落解放同盟山口県連の被差別部落実体調査や糾弾会に参加を許されたり, 山口のいくつかの被差別部落の隣保館で講師をしたり, 関連機関紙に小論文を投稿したり, 60歳になり年金の一部が入るようになったことで,インターネットの日本の古本屋経由で, 部落史研究・部落研究の基本的な文献を集めました. また京都大学大学院を出られ, 底辺労働者の調査・研究をされていた日本文化史研究者の方や, 東大出身の共産党左派の下関書店の店長さんから, 部落史研究の心構えや研究方法の指導を受けました. 私が牧師をしていた教会の書記担当役員の方は, 徳山市議会事務局で速記者をされていた方で, 同和地区出身の市会議員の方の先進地視察の準備・同行をされていた方と, 山口県内の主な被差別部落をドライブしました. 同宗連を介して, 浄土真宗の元 ”穢寺” を尋ね, その住職の方々から, 被差別部落の先祖の歴史を学ぶことができました. その結果を, 2005年にインターネットのブログ上で, ”部落学序説” と題して書き下ろしで執筆をしたのですが, その時使った史資料のコピーは膨大・・・. 貴重なものばかりです.  ”部落学序説” 執筆後に集めた部落史関連史資料は, かなりの冊数に登っています. 2013年に, 妻のふるさと福島県郡山市に帰郷・帰農して以来, 郡山地方史研究会の古文書講習会に参加, 近世文書をはじめ中世文書の古文書の判読と読解ができるようになりました. 

    英語で論文を書くのに, 十分なデータ (史資料・聞き取り・研究論文) と下書き ("部落学序説" とその関連ブログ群) は, 既に, 私の手元にあります.  来年は, 英語で, ”部落学序説” と ”部落学” を書き直し, 英語圏に向けて発信するこころみに着手する年になります。

    2005年にインターネットのブログ上で, ”部落学序説” と題して書き下ろしで執筆を始めたとき, 岡山の同和教育担当の中学校教師を始め, 全国の同和教育・解放運動の関係者から, 無学歴・無資格 (Academic Outsider) を名のる者は, 部落差別について語る資格はない, 即刻ブログの全文章を削除して, 絶筆すべきであるとの誹謗中傷・罵詈雑言を浴びせられることになりましたが, 高学歴・高資格の彼らが部落差別について語る資格を持っていると自負する内実はいったい何だったのでしょう? その後, どのような ”反差別” の闘いをすすめ, 部落差別からの被差別部落の人々の完全解消のためにどんな活動をされているのでしょう? 2013年, 日本基督教団隠退牧師になり, 妻のふるさと・湖南に帰郷・帰農したあと, 郡山地方史研究会の諸集会や古文書講習会の参加を許され, 元小・中・高の学校教師で同和教育を担当された方々と話をする機会を与えられました. 彼らもまた, 高学歴・高資格, 部落差別について語る資格を持ったことのある方々ですが, 無学歴・無資格 (Academic Outsider) の私の目絡みますと, 彼らの語る言葉は、まるっきり ”差別発言” でした. 同和教育・解放教育は, 部落差別解消の教育ではなく, 部落差別の拡大再生産の教育であったことを, 彼らは身をもって証明していました. 

    日本の社会から部落差別をなくするのは容易なことではなさそうです. なにしろ, 被差別部落に対する差別主義者が被差別部落の歴史を改竄し, 差別主義者の利益・利権につながるように国と行政を巻き込み, 部落差別の拡大再生産を目論見, 被差別部落の人々の人権の回復を唱えながら, その実, 彼らの願いと部落差別完全解消の願いをないがしろにしてきたのですから・・・. あとに残ったのは, 部落史研究の学者・研究者・教育者・運動家が手に血潮にかけて構築した, 被差別部落の人々を差別の鉄鎖につなぎとめるための差別思想 ”賤民史観” だけだったのですから・・・. 

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