2022/04/08

共産主義の理想と現実・・・

昨夜、黄文雄著『台湾・朝鮮・満州 日本の植民地の真実』の第8章 <植民史が問う「植民地とは何か」>と第9章 <植民地主義VS社会主義>を通読しました。

今朝、食後に、妻に、本文を引用しながら、概略を話しました。共産主義の理想と現実・・・。共産主義は、<世界革命、人類解放、国家死滅>の理想をかかげ、世界の中の<平和主義勢力>であるとうそぶいてきたが、実際は、真逆で、<非人間的な弾圧、破壊>によって、<政権下における住民の奴隷化>、労働者を<新しい奴隷階級>にしたて、<自由と平等、そしてより豊かな生活を求める「目覚めた近代人」に対し、良心、言論、思想、宗教、移動の自由を奪い去り、それに抵抗するものを取り締まるために、血の弾圧をもってすることは明らかに20世紀になって出現した、過酷な奴隷支配に他ならない・・・。いわゆる「人間性の回復」など不可能である>。<社会主義国家の官僚は、私利私欲に駆られた独断専行の人民搾取集団だ>。<1930年代、民族の伝説や民話を伝えるウクライナの吟遊詩人の「第1回ウクライナ大会」が開催された。スターリンは「彼らの生活はもっと楽しいものになるだろう」と発言し・・・ほとんど全員が銃殺された>。

共産主義の理想と現実・・・。それに眼を塞ぎ、共産主義を理想化してその実現を追い求めてきた日本の左翼思想・・・。なぜ、日本の知識人たちは、<マルクス主義が幻想だったと気づくことなく、幻想の中に身を置きその虜になってしまったのか・・・? 『台湾・朝鮮・満州 日本の植民地の真実』の著者・黄文雄氏は、<それは突き詰めていえば権力、権威への全面的な依存心理によるものではないか。>といいます。<自ら思考、意志、責任を放棄して、権威にすがることで「解放」されたいとの寄生虫的心理である。意志を放棄してしまった人々だからこそ、自由、社会正義をも踏みにじる、非人間的な弾圧、破壊を受け入れてしまったのではないだろうか>。

日本基督教団西中国教区の山口の教会を辞し、妻のふるさと福島に帰郷・帰農するとき、山口の地で最後に耳にした言葉をいまだに忘れることができない。<日本は一度、中国に支配されて被支配の苦しみを味わったほうがいい。そうすれば、被差別部落のわれわれの差別された苦しみを理解することができるようになるだろう>。<自ら思考、意志、責任を放棄して、権威にすがることで「解放」されたいとの寄生虫的心理>のとりこになってしまったときに胸奥からこみあげてくる復讐心・・・? 日本基督教団の牧師として、筆者が出会った、山口県北の、自分たちの歴史を捨てることなくそれを子々孫々語り伝えている被差別部落の人々とはまったく無縁の発想であり、筆者が、ブログ『部落学序説』を細々とでも掲載し続けているのは、彼らの<穢多>役や<非人>役としての歴史を引き受けて生きる彼らの真摯な生き方に対する尊敬の念があるからです。

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