平成26年5月に, 日本老年医学会から出された, ”フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント” の一節です.
後期高齢者 (75 歳以上) の多くの場合, “Frailty” という中間的な段階を経て, 徐々に要介護状態に陥ると考えられている. Frailtyとは, 高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し, 生活機能障害, 要介護状態, 死亡などの転帰に陥りやすい状態で, 筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず,認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題を含む概念である.
Frailty の日本語訳についてこれまで "虚弱" が使われているが, "老衰", "衰弱", "脆弱" といった日本語訳も使われることがあり, “加齢に伴って不可逆的に老い衰えた状態”といった印象を与えてきた. しかしながら, Frailty には, しかるべき介入により再び健常な状態に戻るという可逆性が包含されている. 従って, Frailtyに陥った高齢者を早期に発見し, 適切な介入をすることにより, 生活機能の維持・向上を図ることが期待される. また, "虚弱" ではFrailtyの持つ多面的な要素,すなわち身体的, 精神・心理的, 社会的側面のニュアンスを十分に表現できているとは言いがたい. このような学術的背景により,日本老年医学会はFrailtyの社会における認知度を上げるべくワーキンググループを形成した. そのワーキンググループにおいて最初に行ったのが, Frailty の日本語訳の検討である. 関連学会にも呼びかけ, 様々な案について検討を行った結果, "虚弱" に代わって「フレイル」を使用する合意を得た.
MicrosoftのBingAIに奨められた, ”Webster's New English of Synonyms” のfrailとfrailtyの意味は多義的です. ”frail/frailty ⊃ 虚弱" であっても, "虚弱 ⊇ frail/frailty" ではなさそうです.
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