2024/02/15

テレビ番組を見ていて悲しくなる・・・

    昨夜遅く, 田畑に放射能汚染を引き起こした原発の20km圏内にいある福島県南相馬市小高地区の、稲作再開のための試験栽培に関する取り組みが放送されていました. 

    偶然, 目にとまった番組ですが, つい最後まで見ることになりました. その番組を見ながら, 私の頭の中には, "なんで?", "なんで?", "なんで?" という言葉が駆け巡っていました. そこには, 素人百姓の私には理解できない, 小高地区の農民の姿と言動がありました. 

    国と行政, 東京電力による放射能汚染の防除対策を, ひたすら待ち続け, いつまでたってもそれが現実化されず, これから先いつまでそれが続くのか, 小高地区の農家の不安が募るのみ・・・. それでもはじまった米の試験栽培・・・. 報道された部分もありますが, 報道されていない部分もあります. 

    2011年3月11日に東日本大震災・原発事故のあと, 福島大学大学院を卒業したあと福島市に在住していた娘を, 事故を起こした原発から80圏外にある, 娘の祖父祖母の家のある郡山市湖南町まで避難させ、ドイツ製のガイガーカウンタを入手して, 家屋・庭・排水路・田・畑・山林・農道・用水路などの放射能汚染度をチェックして, 自力で除染活動をはじめました. 除染が成功しているかどうかは, ガイガーカウンターで測定して確認しましたから・・・. 昨夜放送された番組には, 小高地区の農民による, 農民のための, 農民の除染活動についてはほとんど何も触れられていない・・・. 番組の最初から最後まで, 私の頭の中には, "なんで?", "なんで?", "なんで?" という言葉が渦巻いていました. 

    作っても売れないコメつくりを月額18万円の補助金受給のための労働に置き換える小高地区の農民の姿・・・, 私のふるさと岡山で, 水島工業地帯の排水によって汚染された魚, 下津井の漁民たちは, とっても売れない魚をとってそれを企業に買い取ってもらっていました. 収入を保証されても, それは漁師の人々の生きがいを奪う政策でしかなく, 下津井の漁民はいつしか海を離れて陸に上がってしましました. 南相馬市小高地区の, 作っても売れないコメつくりを月額18万円の補助金需給のための労働をする農民たちの姿, かっての下津井の漁民の姿にダブって見えました. 

    ベタ倒れになった稲の穂・・・, 原発事故による放射能汚染を引き起こした人間と農民に対する自然と稲の怨念のように見えました. 

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