2024/02/22

素顔の人と仮面を被った人・・・

    日本基督教団西中国教区の牧師をしていたとき出会った被差別部落の人々には2種類の人がいました. 

    一つは, 素顔の人, もう一つは, 仮面を被った人・・・.

     "部落民" という仮面を被った人には, 2種類の人がいました. 被差別部落出身者であって, 左翼主義思想の学者・研究者・教育者・運動家が構築してきた賤民史観という差別思想に洗脳されて自らを "部落民" と思いこんでいる "部落民" の仮面を被っている人・・・. その仮面はみんな同じで, 同じイデオロギー用語・運動用語で, 部落差別と部落解放について語ります. もう一つは, 被差別部落出身ではないのに,  "部落民" の仮面を被って, "部落民" であるかのように振る舞う人・・・. 彼らは, 同和対策の補助金を獲得, 自らを利してきた人・・・. 彼らも,  同じイデオロギー用語・運動用語で部落差別と部落解放について語ります

    私の経験では, "部落民" の仮面を被った人と何人接触しても, 何十人, 何百人, 何千人, 何万人接触しても, みんな同じ仮面を被り, 同じセリフを語るので, 彼らからほとんど何も学ぶことはできません. 


    しかし, 被差別部落の人々の中には, 素顔の人がいます. 彼らは, 素顔で生き, 素顔で, 彼らの先祖と彼らの生き方について語ります. 歴史の事実を事実として自分の身に引き受け, それを生き抜こうとしている人々です. 私が, 山口の地で出会った被差別部落の古老たちは, "部落民" という仮面を被った人ではなく, 素顔で被差別部落の歴史を担って生きている人々でした. 私は, 日本基督教団の牧師として, 仮面を被った "部落民" が口角泡を飛ばして, "被差別者でなければ差別者だ" と烙印をなげかける "差別者"として, 素顔の被差別部落の人々に出会いました. 彼らは, 所与の人生を否定することなく, 所与の人生を自ら引き受けて生きている, 尊敬すべき人々でした. 彼らとの出会いから, 私が紡ぎ出したものが, 私のブログ "部落学序説" です. "部落学序説" は, "部落民" という仮面を被った人々のためではなく, 素顔で生きている被差別部落の人々に対する, "反差別主義" からの応援歌です

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