姉が嫁いでいったとき, 姉からもらい受けた本の中に, 詩集がありました. その中に加藤まさをという人の詩もありました.
ああ、さびしきはさびしきは
花屋の窓に咲き誇る
温室咲きのサクラソウ
外には冷たい風が吹き
通りを歩く人々の
肩にみぞれが散りかかる
二月の街にいち早く
悲しい春を呼ぶような
花がほころび蝶が舞い
小鳥が歌う春の日に
君と別れて学び舎を
巣立ち行く子のその胸に
ああ、さびしきはさびしきは
花屋の窓に咲き誇る
温室咲きのサクラソウ
中学1年生の時に, その詩を覚えました. 中学2年生から3年生, 島崎藤村の "若菜集" の詩を暗唱しました. その一節にこんな詩も・・・.
姉
わかれといへば
むかしより
このひとのよの
つねなるを
ながるゝみづを
ながむれば
ゆめはづかしき
なみだかな
弟
とほきわかれに
たへかねて
このたかどのに
のぼるかな
かなしむなかれ
わがあねよ
たびのころもを
ととのへよ
上の藤村の詩の一節の "弟" は, 原文では "妹" です. 弟である私の姉に対するとむらいの言葉として "妹" という言葉を "弟" に変えました.
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