2021/11/15

研究と書物・・・

 昨夜、ヤスパースの『哲学』(全3巻)を読んでいました。ヤスパースの『哲学』の文章は、2~3回通読しても理解することができない場合がほとんどで、分析しながら精読すること2,3回、表面的な理解から深層的理解へ<アスペクト転換>されたとき、はじめてヤスパースのいわんとするところを理解することができるようになります。これは、無学歴・無資格、学問的哲学とは終生無縁であった筆者にのみあてはまることで、高学歴・高資格、学問的哲学に精通している学者・研究者・教育者には該当しない知性的活動でしょう。昨夜と今朝に読んだ箇所は、<研究者>と<書物>の関係・・・。<研究者>は、<アルファベット25文字の組み合わせによって可能>となる<言語における精神の外的表現>としての<書物>は、<夥しい文字の集積>であり、その中から<意味をもつ文字の集積>を選び分かつことができるのは、<研究者>が<生きた精神>を持っているときだけ・・・。<文字の諸々の順列の中から一つの意味豊かな書物を探し出す>ためには、その<生きた精神>が必要である。<研究者>に限らず、<理性的存在者>は、<有限>な自己の能力の中で、<一つの意味豊かな書物を事実上見出す>ことがあるとするなら、そのときその人と書物の間に対話が生まれる。<語りかける>ことと<語りかけられる>こととの関の中で、<研究者>をとりまく世界が、依然として、<とるに足らぬものの空虚な群れとしての反復が見極め難い変化をもって現れてくる>のに留まり続けるのに対して、<全く別の根底から飛躍>するかたちで、<創造的なもののひとつの道程>を歩むことになる。<研究者>の消費的拡散的精神ではなく、<生産的集中的精神>をもって、おのれのなかに侵入してくる<研究者>の<邪路>を避けてより真実をあきらかにしその真実に生きることになる・・・。ヤスパースの『哲学』の、無学歴・無資格、学問とは無縁の筆者ならではの解釈なのかもしれません。

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