『佐竹昭広集』(全5巻)の著者・佐竹昭広は、国文学者であると同時に言語学者・・・。
<古典の内部世界というものが、自分の読み方ひとつでがらりと変わってしまう。おそろしい世界であることを体験的に教えてくれた事例であった。読み方ひとつで世界ががらりと変わってしまうのは、もちろん漢字の訓読だけではない。・・・表音文字の羅列も、読み方次第で、別の言葉、別の意味に一変することがある>(『萬葉集抜書』)。
因果・愛・意識・自由・・・などの<明治期の漢語>と同じく、近世以前に中国で使われていた<部落>という概念に<新しく西欧的な意味が持ち込まれた>結果、<部落>という漢語は、日本の法律用語・行政用語に変身させられてしまった。しかし、左翼思想の学者・研究者・教育者たちは、その<部落>という概念の近代性をはぎとって、<部落>に東洋的な古き時代の差別的な意味を持ち込んで、<いわば力ずくで押しつけられた外発的な意味「付与」>を行った・・・。
<時代とともに移り変わってきた>、この<部落>概念は、<その言葉との関係において生きてきた人間の「こころ」の歴史が刻み込まれている。日本人の言葉の「こころ」の歴史を、日本人の「こころ」の歴史として問いかけてゆくこと、われわれはまだ十分にこれを果たしていない>。
<部落>という言葉も、<読み方ひとつでがらりと変わってしまう>・・・!
2022/11/20
読み方ひとつで世界ががらりと変わってしまう・・・
登録:
コメントの投稿 (Atom)
この冬の知的作業は観聖寺文書の再判読・・・
今日は1日, これまで再読した観聖寺文書を再検証して, MSwordで活字化, A4判19枚にプリントアウトして, 隣村の郵便局からゆうパックで送りました. 12月20日から来年3月20日までの3ヶ月間, 晴耕雨読ならぬ晴れた日は除雪作業, 雪の降る日は読書三昧...
-
猪苗代から戻ると、筆者と妻、すぐ着替えて農作業をはじめました。 妻は、段々畑の梅の木のある畑に作付けしたキュウリとインゲンの支柱のネット張り・・・。筆者は、棚田のひめのもちとはえぬきの田の草取り・・・。午後1:30~4:00、市販の農具を改造してつくった <水田熊手>型草取り器を...
-
今朝、読んだ『英訳聖書』(NSRV)のことば・・・。 I have also seen this example of wisdom under the sun, and it seemed great to me. There was a little city with fe...
0 件のコメント:
コメントを投稿