シモーヌ・ド・ボーヴォワール著『老い』の第二部に、ノーベル賞を受賞したある詩人の老いに関する言葉が記されていました。
<わたしはかってないほどよく考え、計画を立てることができるのだが、計画し考えたことを実行することがもはやできないのだ・・・>。
ひとは、高齢期に入ると、あらたな<計画>をたてることができても、それを<実践>することはできなくなるようです。
その詩人は、<年を取ったということがわたしには耐えがたく腹立たしい。わたしはかってのすべての能力をもち。それ以上でさえある。それなのに、一人の仇敵がわたしをしばりつけ、ねじまげてしまった・・・>と語ったそうですが、ボーヴォワールは、<それでも彼はまだひじょうに美しい詩句を書くことができた>といいます。
ノーベル賞受賞作家ならではの<仇敵>なのでしょう。無学歴・無資格(Academic Outsider)の隠退牧師である筆者には、老いを揺るがすような<仇敵>は存在しない・・・。雪深い山奥の向こうから、狼の遠吠えが聞こえてくることがあったとしても・・・。人は、誰でも、自分が批判している人のなかに<自分の反映像>を見出すことになる・・・。ボーヴォワールの人間観察力には、ただただ敬服するばかり・・・。
2022/12/26
あるノーベル賞受賞詩人の老いに関する言葉・・・
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