筆者、日本基督教団の隠退牧師として、妻のふるさと・湖南に帰郷・帰農して10年になりますが、昨日、歯の治療に行った妻に、歯科医の方が語り掛けて来られたそうです。<あなたのご主人は、どこの出身ですか?>
筆者、妻の故郷・福島県郡山市では、ときどき、同じ質問をされることがすくなくありません。というのは、筆者の語る言葉が、福島方言・郡山方言のアクセントがかなり異なって聞こえるようです。なかには、<あなたのことばは、とてもやさしい響きをもっていますが、あなたは、どこの出身ですか?>と語り掛けて来られる方もおられます。
妻は、<私の夫は、岡山出身です。日本基督教団の牧師になって、30年間、山口の地で棲息していました。私の父がなくなり、認知症の母をひとり残しておくことができず、こちらに帰ってきました・・・>とその歯科医の方に話したそうですが、その歯科医の方、<あたたかい地方に住んでいたのに、よく、雪国・湖南に移ってきましたね・・・>と驚いておられたようです。妻は、筆者に、<私が認知症の母を介護するために福島に戻るときに、あなたも一緒に帰ってきてくれたのは、あたりまえのことではないのよね。主なる神さまに感謝しなければならないこと・・・>と話していました。
妻と結婚するとき、妻が洗礼を受けた日本基督教団巣鴨ときわ教会の藤原位憲牧師をたずねてその了解をもとめたとき、藤原牧師からひとつの条件を出されました。<A子さんを生涯一信徒として見て、決して牧師夫人扱いをしないこと、それを了承するなら、あなたとA子さんの結婚を認める>と。牧師にとって、その妻も一信徒であり、牧師はその信徒をつまずかせてはならないと・・・。
今朝、アーレント著『暗き時代の人々』を読んでいるとき、<Church Outsider >という言葉が目にとまりました。<幸福なるかな、心の貧しき者>という主イエスさまのみことばを生きようとする筆者、日本基督教団神奈川教育においても、西中国教区においても、<Church Outsider >だったのかもしれません。
筆者は、<Academic Outsider>であると同時に<Church Outsider>・・・。そのような世界にも、筆者のような牧師は少なからず存在する・・・。
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