2023/04/26

農村伝道神学校での最初の授業・・・

私は、29歳のときに、日本基督教団の牧師になるために、鶴川学院農村伝道神学校に入学しましたが、入学後の最初の授業は、新約聖書著論でした。

当時の農村伝道神学校は、高卒の場合は、5年間学ばなければなりませんでしたが、大卒の場合は、2年に編入学するのが一般的でした。 しかし、なぜか、私は高卒であるにもかかわらず、2年に編入させられました。

そのとき、大卒であるのに1年生から学びはじめた先輩と、継続教育コースに入ってきた某大学神学部卒の<先輩>、4人のクラスで、新約聖書緒論を学ぶことになりましたが、そのとき、新約聖書学の教授から、Kümmel 著『Introduction to the New Testament』のコピーを渡されて、<40ページほど読んで来なさい>と指示されました。

そのとき、某大学神学部卒の<先輩>が、<君は大学を出ていないのだろう? 予習の手伝いをしてあげるから、私の部屋に来なさい>といいますので、夕食後、彼の部屋を尋ねました。 すると、彼は、新しい単語帳に、そのテキストの単語を書き込み、辞書を引いていました。 彼は、<君は、もう辞書引きしたのか? >と問いかけてきますので、<いいえ、この程度の英語なら、辞書なしで読めますから・・・>と答えますと、その先輩、突然、激怒・・・。 <ここを訳してみろ! >といいますので、訳しますと、彼はますます激怒・・・。 私は、わけもわからず、彼の部屋をあとにしました。 

病院の医局の英書を読んだり、商社につとめていたとき、イタリアのリモルディ社の英文のカタログや技術指導書を辞書なしで読んできた私にとっては、Kümmel 著『Introduction to the New Testament』の英文は、とてつもなくやさしかったのです。 

その某大学神学部の旧約学の教授は、<学歴のない者に、ヘブル語は教えたくない>と、無学歴の私にヘブル語を教えることを拒否しました。旧約学を学びたいと思っていた私にとっては、神学校で経験した最初の挫折でした。 ヘブル語は、リンガフォンのヘブル語講座の教材を入手して独学することになりました。ヘブル語の、英語の教科書、辞書、ヘブル語聖書の英語の<Underlinear>を入手して独学しました。その某大学神学部の教授は、私と同じ岡山県出身・・・。東京・神奈川に棲息していたとき、出会った岡山県出身の方々は、なぜか学歴差別主義者ばかり・・・。某大学教授の娘さんは、私に、<父は兄を自殺に追いやりました。吉田先生に対して学歴差別していただけでなく、私の兄に対しても学歴差別をしていたのです・・・>と残念そうに話していました。

学歴が、学閥、名門意識などと結びつく、日本の学歴社会は、時として、悲惨な結果を招き寄せることになるようです。

<無学歴・無資格>(Academic Outsider)の私は、説教のための注解書として、Karl Barth 著『Church Dogmatics』(全巻)と『Theologoscher Handkommentar zum Neuen Testament』(易しいドイツ語の注解書)シリーズを使っていました。説教のための聖書釈義の技法は、鶴川学院理事長の島村亀鶴先生から伝授されました。

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