2023/04/30

実践神学の課題としての『部落学序説』の執筆・・・

キリスト教神学は、いくつかの分野に分かれます。 聖書神学、歴史神学、組織神学、実践神学・・・。

日本基督教団西中国教区の山口の小さな教会の牧師をしていたとき、西中国教区総会で、その小さな教会の信徒議員が、<差別発言をした! 教会の牧師は、どのような指導をしているのか? >と執行部から非難されました。 其の理由は、信徒議員が、西中国教区部落差別問題特別委員会を設置する件でセコンドについたとき、彼は、<教会はもっと部落問題に取り組まなければならない>と設置に賛同したのですが、彼の<部落問題>という発言が差別発言であると指摘されたのです。 執行部は、<西中国教区は長い間部落差別問題と取り組んできた。西中国教区では、問題は、部落の側にあるのではなく、部落差別する側にあるとの趣旨で、部落差別問題と表現することにしている。それなのに、信徒議員は、まるで部落に問題があるかのように発言した。それは、差別発言だ・・・>と発言し、信徒議員の教会の牧師である私を、部落差別問題特別委員会の委員に指名したのでした。

あとで、わかったことですが、私と一緒に総会に出席して、差別発言をしたと非難された信徒議員は、部落解放同盟山口県連の某支部の支部長の姪・・・。 その連れ合いの教会員も、部落解放同盟の運動に参加していたのですが、その信徒議員の発言を、西中国教区は、<差別発言>と断じて、牧師である私に、懲罰的に西中国教区部落差別問題特別委員会の委員を押し付けてきました

日本基督教団西中国教区の山口の小さな教会の牧師をしていた30年間、私が部落差別問題とかかわるようになったのは、<実践神学>の課題として・・・。 私は、無学歴・無資格(Academic Outsider)であるとはいえ、牧師ですから、教会内外の被差別部落出身の方々の声に耳を傾けることからはじめました。 山口の未指定地区の、旧<穢多>、旧<茶筅>の古老を訪ねて聞き取り調査をしたり、浄土真宗の旧<穢寺>を訪ねてその住職さんからいろいろお話をお伺いしたりして、彼らの語る歴史は、左翼主義思想の部落解放運動の学者・研究者・教育者・運動家が語る歴史、<みじめで、あわれで、気の毒な差別されてきた賤民>であるという賤民史観とは全く異なる歴史であることを知りました。 そして、山口県立図書館や徳山市立中央図書館郷土資料室の史資料の分析から、彼らの語る歴史が真実であると確信するようになりました。 その取組みをまとめたのが、『部落学序説』とその関連ブログ群です。


『部落学序説』の執筆目的は、日本におけるキリスト教宣教の妨げになる部落差別を解体・解消することにあります

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