夜、たまたま開いた、スイスの哲学者『アミエルの日記』の一節・・・。
<1881年1月20日
他人の悪意・・・によって悩まされることは、とかく私が陥り易い弱点である。・・・誤った批判を受けることは私にとつて辛い。私には男らしい乱暴さがない。私の胸は・・・必要以上に傷つき易い。けれども私は随分戦争に慣れて胸のところが鍛えられたような気がする。世間の悪意も昔と比べてずっと私を悩まさなくなってゐる。これは哲学のお陰だろうか。それとも年のせゐだらうか。・・・悪意を抱く人々が我々に及ぼす害は、我々に自分の力を疑わせることである。謙遜からわれわれはさういふ人々が間違ってゐるのだと考えられる時には凡てが救われる。我々はさういふ人々の誤りを惜しむ。我々はもう惑わされることも悲しむこともなくなる>。
<1881年5月11日>、夜を去った。4か月前の日記の記事です。
2022/05/04
哲学の効用・・・
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