私の最初の長文、1995年に執筆した、原稿用紙300枚、新書判1冊程度にまとめた『部落差別から自分を問う』は、日本基督教団部落差別問題特別委員会と日本基督教団部落解放センターによって、原稿を没収され破棄されました。 部落解放センターの当時の主事の牧師からは、<吉田さんの部落差別問題との取り組みはなかったことにする>と言い渡され、日本基督教団の部落解放運動の指導者であった東岡山治牧師からは、<西中国教区での部落差別問題の取り組みを前進させるために、吉田牧師を切り捨てることにした>と排除宣告を受けました。
同時期、私は、京都教区部落差別問題夏期研修会からも締め出され、日本基督教団の部落解放運動のすべての局面から排除されました。 『部落差別から自分を問う』の執筆をすすめてくださった近江平安教会のN姉にも、この『部落差別から自分を問う』をお渡しすることはできませんでした。
その<言論弾圧>とも思われる事態に直面させられた私は、『部落差別から自分を問う』を執筆して10年後、インターネットのブログ上で、『部落学序説』を、公開で、書き下ろし執筆をはじめました。 『部落差別から自分を問う』の原稿が没収・廃棄処分にされてから10年の間に、私をとりまく情報システム環境が大きく変化し、言論弾圧を受けて闇から闇に葬りさられることのない執筆活動を継続できる可能性が生じました。
そういう意味では、無学歴・無資格(Academic Outsider)の私が、<言論弾圧>をはねかえして、不特定多数の読者を対象に、『部落学序説』を公開執筆することができたのは、<時代の産物>でした。 IT環境がなければ、私の『部落学序説』は、日の目を見ることはなかったことでしょう。
2005年にかきはじめた『部落学序説』、現在は、ほとんどアクセス者がいない状況が続いていますが、度重なる、複数のプロバイダーからの言論弾圧に耐えて、いまだに自由閲覧することができることは、Google の Blogger のふところの広さに由来するものです。
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