午後、本田豊著『部落史を歩く ルポ:東北・北陸の被差別部落』の<福島県の被差別部落>の章を読んでいました。
使われている史資料は、1936年の財団法人中央融和事業協会『全国部落調査』と『新編会津風土記』・・・。
2013年日本基督教団の隠退牧師になり、妻のふるさと・福島に帰郷・帰農したあとはおりにふれて、福島県の被差別部落に関する文献・史資料を集めてきました。 郡山地方史研究会主催の古文書研究会のテキスト、できる限りバックナンバーを集めましたが、そのなかにも、<穢多>という言葉が出てくる古文書も少なくありません。
『部落学序説』のなかで私が<常民>・<非常民>概念で近世の社会構造を見ていますが、その<非常民>概念の外延は西日本のそれとはかなり異なってきます。 <百姓支配>の側の<非常民>と<武士支配>の側の<非常民>が同じ名称で表現されています。その役職が<百姓支配>の側か<武士支配>の側かは、史資料ごとに判断する必要があります。 そうすることで同じ名称で隠されていた西日本の<穢多>役・<非人>役の姿が明らかになってきます。 近世幕藩体制下の福島県内のテリトリーには、幕府の法の支配のもとにある各藩の藩法における司法警察である役を担った人々の存在を確認することができます。 彼らが明治以降どうなったのか、多くは福島県の<名士>になっていったようで、福島県では近世幕藩体制下の<穢多>役・<非人>役について語ることはタブーになっています。 いわゆる<脱賤>が進んだためでしょう。
2023/08/18
<福島県の被差別部落>を読む・・・
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