久しぶりに手にとったハンス・カロッサの『美しき惑いの年』からこぼれ落ちた新聞の切り抜き記事・・・。
京大名誉教授・田中美知太郎著「良心」・・・。
<良心などというのはもはや今日の言葉ではないであろう。 むろん良心的とい形容詞が特定の人たちについて使用されることは、今日のありふれた風俗に属するとも見られる。 しかしそれはおよそ非良心的な人たちと事柄についていわれているのだとすれば、良心が今日いよいよ廃語となりつつあることのしるしとも考えられる。
良心というのは、何よりもまず「われ知る」ということなのである。 何を知るのか。 それはわたし自身が何を考え、何をいているかを、他人は知らなくても、わたし自身は知っているということである。 天知る地知る我(われ)知るという場合の「われ知る」なのである。 西洋では古代ギリシアのデモクリトスに既にこの言葉がある。 「ひとりをつつしむ」という意味合いにおいてである。
その「知る」は多くの場合「自己否定」をふくんでいる。 自分の不足を知るのである。 わたしが正義の人であることからいかに遠く、自分がいかに悪であるかを知ることである。 そしてこのことをはっきりと知り、厳しく自己を批判するためには、他方において「正義」や「知」の純粋なもの、明白なるものを求める心がなければならない。 かかる志向と、それにもとづく自己否定の認識が、「われ知る」を構成するわけだ。 むやみに自己を正義そのものと混同し、自己を人類や人間と同一化することは、まさにその正反対でなければならない。 いわんや流行の合言葉に合づちを打つだけの無反省の人間が、良心的などと呼ばれたりするのは、およそ滑稽(こっけい)なことだといわなければならないだろう。>
2023/08/30
田中美知太郎「良心」・・・
登録:
コメントの投稿 (Atom)
農作業をするときの呼吸困難の原因・・・
農作業をしていると, 時々, 呼吸困難に陥ります. 妻の実家の田畑の近隣で農薬散布が行われているときはすぐ田畑を離れることにしています.薬品アレルギーのある私は農薬散布の “霧” を吸い込むことは厳禁! 医学書院の “内科診断学 第2版” に添付されてい...
-
歌会始の歌を聞きながら, 私も1首・・・. 夢という言葉を使ってはいませんが・・・. 吉田 永學 ふりかえり 歩みし道に悔いはなし 主のみことばに 従い歩めば 子供の頃から, 歌心・詩心の少ない私は, 俳句・和歌・詩をつくることが大...
-
夜, 久しぶりに"部落学序説" の管理画面を見ました. Gooblogの事務局から閲覧禁止・削除処分を通告されて, 私のブログを Google の Blogger に移行しようとしましたが, 移行ツールがなく, "部落学序説...
0 件のコメント:
コメントを投稿