高校1年生のときに読んだ、スイスの哲学者『アミエルの日記』・・・、75歳になり後期高齢者になったいまでも、私の愛読書のひとつです。 その一節・・・、
<国民性は常に男の中にもあらはれてはゐるが、時には女の中にはっきりと見られる。 ロシアの女は、その国の湖と河のやうに、突如として襲って来、しかも長い間止まってゐる厳しい寒さに従ってゐるやうに見える。 彼女たちの、波のやうにうねりがちな優しい動きの中には、常に思ひがけない氷塊による脅威が存在してゐる。 ・・・若しロシア人が南の國にもその支配の暗黒を深めて行くならば、彼等は何といふ恐るべき統治者であることだろう! 北極の専制主義、未だかつて世界が見たこともない程の、闇のやうに沈黙し、氷のやうに鋭く、青銅のやうに無感覚な、愛らしい外面と雪のやうな冷たい光を持った暴政、償われることもなく、和らげられることもない奴隷状態、かうしたものがロシア人が我々の許にもたらすであろうと思はれるものである。
しかし彼らは、次第にその半野蛮の長所をも短所をも失ふに至ることだらう>。
ロシアによるウクライナへの侵略戦争、それはロシアの男たちだけで行われているのではない。 その男たちを銃後で支えている<優しい><愛らしい外面>の下うごめく<冷たい光>を放つウクライナの女性に対する蔑視、侵略と暴虐、決して<和らげられることもない奴隷状態>にウクライナを置こうとする<暗黒>の支配者、<恐るべき統治者>に連座する<ロシアの女>によっても引き起こされ、ますます<脅威>の度を深めている。
ウクライナに対する侵略戦争の最中にあっても、モスクワにおける日常生活の安定した継続は、ロシアの周辺諸国を軍事力によって侵略、植民地化、属国となすロシアの覇権主義、<北極の専制主義>のもうひとつの素顔に過ぎない。
1856年7月のアミエルの<彼らは、次第にその半野蛮の長所をも短所をも失ふに至ることだらう>という希望はまたしても、ロシアの<北極の専制主義>を復活しようとするロシア大統領プーチンによって踏みにじられ、ウクライナに対するロシアの男たちと女たちによって、ウクライナ国家・民族・文化・国民への破壊が続けられている・・・。 アミエルが日記に記して168年後の今日の2023年9月においてもなお・・・。
2023/09/07
スイスの哲学者アミエルの言葉・・・
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