賀川豊彦著『貧民心理の研究』(初版本)の<第7章第5節 穢多村の研究>を読んでいて違和感を感じる部分があったので、インターネットで関連史資料を検索していましたら、『人口統計に見る日本の近代化と被差別部落』という論文に遭遇しました。
違和感を感じる箇所は、<内務省の最近の研究によると、全国の特殊部落・・・部落数の多い順序から云へば、
600の広島県を頭として
福島
兵庫
という順序であるが、人口の多いものから数へると
兵庫県は一番多く、95972人
京都 72000人
福島県 60000余人
愛媛県 45000人
大阪府 37170人
岡山県 37000人
三重県 34317人
埼玉県 26000人
等の順序である・・・。
明治44年の内務省調査による統計調査のようですが、<福島><福島県 60000余人>を原本で確認し、その意味を調べようとして(徳山市立中央図書館の2階の郷土資料室にはそれを確認できる文献が揃っていたのですが・・・)遭遇したのが、元濱涼一郎著 『人口統計に見る日本の近代化と被差別部落』(2009)です。 テキストファイルでの複写が禁止されていますので画像で引用します。
部落史研究の学者・研究者の間でも差別思想<賤民史観>廃棄の提案が主張されはじめているようです。 <賤民>概念で、<被差別部落>の人々の先祖を括るのは、左翼主義思想の学者・研究者による<虚構>・・・。 近世の司法・警察の職務に従事した<穢多>役、<非人>役の末裔を<被差別>部落と呼ぶことも、左翼主義思想の学者・研究者による間違った定義・・・。 奈良大学元濱涼一郎教授のさらなる研究の進展を期待したい。 部落差別完全解消へ<澪標>・<道標>のような論文でした。
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