2023/10/02

会計監査が組合の会計の業務上横領を黙認した場合・・・

    インターネットで, ”同僚の横領を知りつつ見過ごしたら「幇助」したと犯罪になる!? ”  の ”会社” を ”組合”に置き換えて転載させていただきました. 

    組合のお金を同僚が横領していることを知りながら, 何もしないでいることは罪になるのでしょうか. 手助けをすれば何らかの罪に当たるかもしれないと想像するかもしれませんが, 実は, 何もしない行為も幇助犯として犯罪になることがあるのです. 

    組合の会計監査が会計担当の犯罪行為を, 知っていて見逃すような場合, その見逃す行為については、犯罪者を手助けする行為の犯罪として、幇助犯が成立することになるのです.(私の表現)

    刑法は正犯(犯罪の実行者)を手助けしたことについて幇助犯として処罰の対象にしています. 犯罪の実行者だけでは犯罪遂行が不可能な場合でも, 他者の手助けによってその犯罪行為が容易になることが多いことから, 手助け行為も処罰の対象となっているのです. 

    それでは, 具体的にみていきましょう. たとえば, 組合の同僚 (
会計) が横領行為をしており, (組合長・庶務・会計監査が) それに気がついたけれども見逃してしまったという行為について, 幇助犯になるのでしょうか. 

    この場合の見逃すという行為は、不作為による幇助といいます. どのような行為を指すかというのは, 裁判例(札幌高判平成12年3月16日判時1711号170頁)を参考にしますと, 正犯者の犯罪を防止しなければならない義務のある者 (組合長・庶務・会計監査) が, 一定の作為(積極的な行動) (決算の監査時の通帳残高の確認) によって正犯者の犯罪を防止することが可能であるのに, そのことを認識しながら, その行動をせず、これによって正犯者の犯罪の実行を容易にした場合に成立し, 作為による幇助犯と同視できるとしています。

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