『アーレント=ヤスパース往復書簡』のハンナ・アーレントとカール・ヤスパースは、二人とも哲学者・・・。博士号をもち、大学で教授として講義している・・・。高学歴・高資格のふたりの哲学者ですが、往復書簡を読んでいる限り、日本の高学歴・高資格者とは、かなり雰囲気が異なるようです。
ヤスパースは、ある<独学者>のことについて、アーレントに語り掛けます。<この30歳のドイツ人にはすっかり感心しましたよ、独学者で(つまり大学教育も高校卒業試験も受けていない)、ユダヤ人殺害問題を激しく追及し、具体的知識にかけては同席していたカトリックの大学教授(近・現代史)を凌いでいて、事実と質問で教授を黙らせてしまった。狂信的なところは少しもなく・・・すぐれた省察を示しているにもかかわらず根はナイーヴです・・・ここにもまた一人「ドイツ人がいる」と私は思いました。
そして、ヤスパースは、アーレントに、<彼はきみと同じような扱いを受けていますが、やはり支持者もいる。>と書き送っています。
大学教育を受けていなくても、自分で調べて、真実を語り伝えようとする<独学者>に、哲学者・ヤスパースは、通り一遍の学歴至上主義者の言動で、軽蔑・排除することなく、耳を傾け、聞くべきことはきちんと聞こうとする・・・。筆者、ヤスパースのそんなものの見方、考え方、生きる姿勢にあらためて尊敬の念を抱きました。
無学歴・無資格、独学者に対する姿勢で、学者・研究者・教育者の体質がわかるようです。
2022/11/07
哲学者・ヤスパースのある独学者に対する姿勢・・・
登録:
コメントの投稿 (Atom)
午前10:00‐12:00 棚田の農業用ビニールハウスの中で野菜の播種, 外で除雪・・・
午前10:00‐12:00 棚田の農業用ビニールハウスの中で作業をしました. 途中, 農業用ビニールハウスをつくっている最中にやってき, " 素人がつくるハウスなんぞ, ここらの雪ですぐ潰れる! 潰れて泣きべそかいているところ,見るのが楽しみだなあ!...
-
猪苗代から戻ると、筆者と妻、すぐ着替えて農作業をはじめました。 妻は、段々畑の梅の木のある畑に作付けしたキュウリとインゲンの支柱のネット張り・・・。筆者は、棚田のひめのもちとはえぬきの田の草取り・・・。午後1:30~4:00、市販の農具を改造してつくった <水田熊手>型草取り器を...
-
今朝、読んだ『英訳聖書』(NSRV)のことば・・・。 I have also seen this example of wisdom under the sun, and it seemed great to me. There was a little city with fe...
0 件のコメント:
コメントを投稿