『アーレント=ヤスパース往復書簡』のアーレント、ハンナ・アーレントは女性の哲学者・・・。ヤスパースが感心したという差別問題のある独学者は、男性・・・。ヤスパースは、両者は、アカデミックな世界の住人から<同じような扱いを受けている>といいます。
両者は、ユダヤ人差別問題をめぐって、それぞれの立場から論陣を張っていますが、それを読んだ人々から、<不倶載天の敵>とみなされます。その理由は、ふたりによって、<嘘があばかれ>、<嘘とともに生きてきた人々・・・にとっては、自分の生きる意味そのものが危うくなる>からです。彼らは、そのことを甘受することができず、ふたりに、なりふりかまわず<攻撃>をしかけてきます。
ヤスパースは、そんなアーレントに、<当面、沈黙を守るのが唯一正しいやり方>であるとアドバイスします。<だれであれ、きみを攻撃する人は、用心したほうがいい。>と。アーレントを批判してくるひとは、<鵜の目鷹の目>で、アーレントの言動に変化があるのかないのか調べているので、アーレントは、自分の発言の削除も加筆もしないほうがいいと。<削除は加筆よりも危ない>と。ヤスパースは、<悪意をもって攻撃してくる><連中とかかわりあうべきではない>といいます。<彼らがあとから削除したり、好きなことを書き加えたりしても、こっちはそれを防ぐすべがないのですからね>。
ヤスパースは、悪意ある相手に<自分をさらす>ことはないと、アーレントにアドバイスしていました。
『アーレント=ヤスパース往復書簡』・・・、筆者が『部落学』(Research on Buraku Discrimination in Japan)の執筆をはじめたときに、遭遇することになると思われるさまざまな批判の奥に渦巻いているものがなんであるのかを教えてくれます。アーレントもある独学者も、<人種主義>を振りかざす知識人に対する批判者・・・。
2022/11/07
大学教授・アーレントとある独学者の共通の敵の特徴・・・
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