2024/09/30

"国民同和への道" (文部省 昭和17年) を読むと愕然とさせられる・・・

    "国民同和への道" (文部省 昭和17年) を読むと愕然とさせられます.

    少しでも同和問題に関する本を自覚的に読んだことがある人ならば・・・. この    "国民同和への道" (文部省 昭和17年) をひとつの基準にして, 各時代の同和問題との取り組みと比較検証すると, 同和問題について, 語られていることと語られなかったこと, 部落史研究の学者・研究者・教育者が教えたことと教えなかったことがはっきりしてきます.

    "国民同和への道" (文部省 昭和17年) は, 国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧することも, PDFファイルでダウンロードすることもできます.

    時代が変わると, いつか, 今問題になっている "全国部落調査" (昭和11年) も, 国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧することも, PDFファイルでダウンロードすることもできるようになるかもしれませんね. かっては, プロの学者・研究者・教育者しか閲覧して研究することができなかったことが, 誰でも閲覧・研究ができるようになれば,部落差別完全解消への国民的基盤が構築される可能性が多分にあります.

    日本基督教団西中国教区の山口の小さな教会の牧師をしていたとき, その教会は, 山口県下松市にありました. 下松市にも下松市立図書館がありましたが, その図書館は, "ブ抜きの公立図書館" でした.書名に, "ブラク" の "ブ"がついていたり, その内容が "ブラク" に関するものであると, 下松市立図書館は, 閲覧禁止処分にしていました. 日本共産党とその傘下の全解連の影響が強い社会では, 部落関連の書籍・資料は閲覧禁止にされていましたので, 下松市民は, 下松市の被差別部落に関する文献をほとんど閲覧することはできませんでした.  部落関連の情報を閲覧禁止にすれば, 部落差別はなくなるのか・・・.私が見聞きした限りでは, 部落差別がなくなるどころか, ただただ潜在化・陰湿 するだけ・・・. 下松市立図書館で閲覧禁止にされている, 下松市の被差別部落に関する史資料が, 隣の市町村では自由に閲覧できる場合も少なくありません. もちろん, 徳山市立中央図書館郷土資料室も, すべての史資料が閲覧できるわけではありません. 身元調査のために閲覧しようとしている場合は, 司書の方がチェックして, 閲覧禁止,コピーサービスの拒否をされることも少なくありません. しかし, 下松市立図書館と違って,徳山市立中央図書館郷土資料室は多くの史資料が郷土史を研究する市民に開放された図書館であると言えるでしょう. 徳山市立中央図書館郷土資料室がなければ, 私の "部落学序説" 執筆のための基礎研究は不可能だったと思われます.


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